日本大百科全書(ニッポニカ) 「リプトン」の意味・わかりやすい解説
リプトン
りぷとん
Lipton (Thomas J.) Inc.
イギリスの世界的に有名な紅茶会社。19世紀末にトーマス・J・リプトンSir Thomas Johnstone Lipton(1850―1932)によってスコットランドで設立された。リプトンはイギリス各地に紅茶販売店を開くだけに満足せず、やがて自分自身の茶、コーヒー、ココアの農園をセイロン(現スリランカ)に買い、30か国以上に貿易代理業者を設定した。アメリカ人に紅茶を飲むことを教えたのはリプトンだとすらいわれている。その後、1927年に経営不振に陥ったとき、19世紀末以来リプトンにマーガリンを輸出していたオランダのバン・デン・バーグ商会が25%の出資を行い、その経営権を獲得した。バン・デン・バーグ商会は同じくオランダのユーゲンス商会とともに1927年にマーガリン・ユニをつくり、イギリス・オランダ系国際化学資本ユニリーバのオランダ側企業となったので、リプトンも現在ではユニリーバの子会社となっている(アメリカ・リプトンも1946年にユニリーバに買収された)。
[佐藤定幸]