リンポポ川(その他表記)Limpopo River

改訂新版 世界大百科事典 「リンポポ川」の意味・わかりやすい解説

リンポポ[川]
Limpopo River

アフリカ南東部の国際河川。全長1770km(アフリカ7位),流域面積44万km2(アフリカ9位)。本流の上流部はクロコダイル川Crocodile Riverと呼ばれ,南アフリカ共和国北東部のプレトリア付近に源を発し,北西流する。ボツワナとの国境でマリコ川を合わせてリンポポ川となり,両国の国境を北東に流れ,さらに南アフリカ共和国とジンバブウェとの境界を東流する。次いでモザンビーク領に入ってからは南東に流れてインド洋に注ぐ。季節による流量の変化が著しく,とくに冬の渇水のはげしさは,急流部の散在することとともに,船の航行を妨げている。しかし農業用水としては南アフリカ共和国のトランスバール地方北部の農牧業を支えており,また最下流のモザンビーク平原では綿花やサトウキビ畑の灌漑に利用されている。流域がアフリカ解放勢力と旧植民地勢力の対決する係争地域に含まれていたため,共同開発が遅れている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リンポポ川」の意味・わかりやすい解説

リンポポ川
リンポポがわ
Limpopo River

アフリカ大陸南東部の川。全長約 1600km。南アフリカ共和国北部のウィットウォーターズランドに源を発し北流するクロコダイル川が,マフィケング東方に源を発しボツワナ南東部を流れるマリコ川と合流してリンポポ川となる。合流後,北東流し,ボツワナと南アフリカとの国境を形成。途中ボツワナ,ジンバブエから流れてくる支流を合わせ,モザンビーク南部でインド洋に注ぐ。ジンバブエと南アフリカの国境を形成する部分では多くの瀑布を形成,パフリからモザンビークに入る。オリファンツ川との合流点から河口までは低地帯で航行可能。この付近ではしばしば洪水の被害を受ける。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リンポポ川」の意味・わかりやすい解説

リンポポ川
りんぽぽがわ
Limpopo River

アフリカ南東部の川。南アフリカ共和国とジンバブエ国境を東流したのち、モザンビーク領内を流れ、インド洋に注ぐ。南アフリカ共和国の首都プレトリア付近に源をもつクロコダイル川まで含めると全長は1770キロメートル、流域面積は約44万平方キロメートル。マララ滝をはじめ急流が多い。流域の大部分は年降水量が500ミリメートル以下で、乾期には渇水する。モザンビークではマプート北方で灌漑(かんがい)に利用されている。

[中村和郎]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「リンポポ川」の解説

リンポポ川(リンポポがわ)
Limpopo

アフリカ南東部の大河南アフリカ共和国北東部を水源とし,ボツワナ国境沿いに北東に流れ,ジンバブエ国境を東進モザンビーク南部を貫流してインド洋に注ぐ。全長1770km。中流域はマプングブエ遺跡(最盛期11~13世紀)などが残る。

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