朝日日本歴史人物事典 「ルセナ」の解説
ルセナ
生年:1551
ポルトガル人イエズス会士。天正6(1578)年来日,大村に着任以来36年間同地で布教に従事,天正2年の集団改宗後の信徒に真のキリスト者の信仰を養い,大村の使徒といわれた。大村純忠の霊的指導者,嗣子喜前の霊的教育係を務めた。慶長11(1606)年,長崎の替地問題から喜前が教会を離れ領内の宣教師を追放したのちも喜前の黙認のもと戸根の大村マリーナのもとにとどまって司牧を続けたが,慶長19(1614)年の禁教令でマカオ追放,同地で没した。マカオで執筆した大村宣教の回想録は貴重な史料となっている。<著作>『アフォンソ・ルセナの回想録』(佐久間正・出崎澄男訳)
(片岡千鶴子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報