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…50年代半ばには,白人のカントリー・ミュージックと黒人のリズム・アンド・ブルースが合成されてロックンロールrock’n rollが生まれる。さらにカントリー歌手エルビス・プレスリーが,よりカントリーの要素を強めてロカビリーrockabilly(rockとhill‐billyの合成語。ヒルビリーはカントリー・ミュージックないしその泥臭いものをいう)をつくり出し,黒人世界よりもはるかに広い聴衆を獲得することになる。…
…元来この言葉は南東部山岳地帯などの出身者に対する蔑称だったが,1925年にレコード業界で彼らの音楽を指すために使われ始め,第2次世界大戦が終わるころまで使用された。なお50年代になって,アメリカ南部のカントリー的なロックンロールが,ヒルビリーと合成したロカビリーrockabillyの語で呼ばれ,エルビス・プレスリーらによってヒットした。カントリー・ミュージック【中村 とうよう】。…
… こうして生まれてきた新しい音楽を〈ロック・アンド・ロール〉と呼びはじめたのは,ラジオのディスク・ジョッキーをしていたアラン・フリードAlan Freedだとされている(彼自身も《暴力教室》に出演した)。また,プレスリーや彼に続いて現れた《ブルー・スウェード・シューズBlue Suede Shoes》のカール・パーキンズCarl Perkins(1932‐ ),《ホール・ロッタ・シェーキン・ゴーイング・オンWhole Lotta Shakin’ Going On》のジェリー・リー・ルイスJerry Lee Lewis(1935‐ )などがいずれも南部のカントリー音楽の要素を強くもっていたことから,彼らの音楽をロックとヒルビリーhillbillyの合成語で〈ロカビリーrockabilly〉と呼び,《アイル・ビー・ホームI’ll Be Home》のパット・ブーンPat Boone(1934‐ )や《ダイアナDiana》のポール・アンカPaul Anka(1941‐ )のようにポピュラー・ソングに近い感覚を示した歌手たちの音楽を,ロックとバラードの合成語で〈ロカバラードrock‐a‐ballad〉と呼ぶようになった。こうしてさまざまの派生語を生みだしつつ多様化していったため,1960年代になると,それらの全体を呼ぶ言葉がロック,1950年代中葉の初期のロックを指す言葉がロックンロール,と使い分けるのが一般的となった。…
※「ロカビリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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