ローマ・オリンピック競技大会(読み)ローマ・オリンピックきょうぎたいかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ローマ・オリンピック競技大会
ローマ・オリンピックきょうぎたいかい

イタリアのローマを開催都市として行なわれた第17回オリンピック競技大会。1960年8月25日から 9月11日まで開催され,83の国と地域から 5000人以上が参加した。この大会で初めて全競技がテレビ放映された。競技は酷暑の日中を避け,午前と夕方に行なわれた。オリンピック・スタジアムは新築されたが,カラカラ帝の大浴場マクセンティウスバシリカなどの古代遺跡も会場として用いられた。金メダル獲得数では,ソビエト連邦が 43個で 1位,次いで 34個のアメリカ合衆国,13個のイタリア,12個の東西ドイツ統一チームの順となった。大会の花形は,マラソンで優勝したエチオピアアベベ・ビキラだった。アベベは夜のアッピア街道コンスタンチヌス凱旋門に向かってはだしでひた走り,世界最高記録で優勝しアフリカ黒人初の金メダリストとなった。十種競技では,アメリカのレイファー・ジョンソンと台湾の楊伝広が大接戦を演じ僅差でジョンソンが優勝した。また,アメリカのカシアス・クレー(のちのモハメド・アリ)がボクシングライトヘビー級で優勝した。日本は次回東京オリンピック競技大会に向けて,全競技にわたる 219人の大選手団を派遣した。男子体操チームは団体での優勝はじめ小野喬,鶴見修治,相原信行,竹本正男らの活躍で金 4個,銀 2個,銅 3個のメダルを獲得した。水泳競技でも銀メダル 3個,銅メダル 2個を獲得。ウエイトリフティングバンタム級では三宅義信が銀メダルを獲得した。

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