ワラビー(英語表記)wallaby

翻訳|wallaby

デジタル大辞泉 「ワラビー」の意味・読み・例文・類語

ワラビー(wallaby)

カンガルー科の哺乳類うち、小形の一群。ウサギ大から、立ち上がると1メートルを超すものまであり、体形はカンガルーに似て育児嚢いくじのうをもつ。オーストラリア・ニューギニアの沼沢地や低木地に分布

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精選版 日本国語大辞典 「ワラビー」の意味・読み・例文・類語

ワラビー

〘名〙 (wallaby オーストラリア先住民の言語由来) カンガルー科のうち、中形の種の総称分類群とは関係なく、いわば英語の俗称。

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改訂新版 世界大百科事典 「ワラビー」の意味・わかりやすい解説

ワラビー
wallaby

有袋目カンガルー科に属する哺乳類のうち,姿がカンガルー(カンガルー属)に似るが,それよりも小型の動物ウサギワラビー属Lagorchestesイワワラビー属Petrogaleツメオワラビー属Onychogalea,ヤブワラビー属Thylogale,ワラビー属Protemnodonなどに属する動物の総称で,約35種あるが,狭義にはワラビー属に属する約10種を指す。大きさを除くと外観から区別することはむずかしいが,からだつきがカンガルーに比べてきゃしゃで,後足が小さく,尾が細いのが特徴。後足はカンガルー類では26cm以上あるのに対して,ワラビー類では16~25cm。ウサギワラビー属,イワワラビー属などは体長35~50cm程度と小さく,ワラビー属では体長70~100cmと比較的大型。ワラビー属はしばしばカンガルー属と同属として統合されることがあるほどカンガルー属に近い。オーストラリアとニューギニアに分布する。ひらけた草原に群れをなしてすむものが多いカンガルー類に対して,ワラビー類ではアカクビワラビーProtemnodon rufogriseaのように低木林やヒース茂みなどの密閉された深いやぶに通路をつくってすむものが多い。また,シマオイワワラビーPetrogale xanthopusのように険しい岩場にすみ,その敏しょうな身のこなしから〈オーストラリアのシャモア〉と呼ばれるものもあるなど,小さな体をうまく活かして生活しているといえる。しかし,よく発達した後肢でジャンプしながら高速で走る能力をもつ点や,子を育児囊で育てるなどの基本的な生活のしかたはカンガルーと同じである。かつてシドニー南方に広大な面積を占めていた熱帯雨林に生息したといわれるパルマヤブワラビーThylogale parmaなどのいくつかの種がおもに生息地の破壊のために絶滅に瀕(ひん)している。
カンガルー
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワラビー」の意味・わかりやすい解説

ワラビー
わらびー
wallaby

哺乳(ほにゅう)綱有袋目カンガルー科ワラビー属に含まれる動物の総称。この属Protemnodonの仲間は、オーストラリア、タスマニア島、ニューギニア島に分布する小形カンガルーで約9種があり、育児嚢(いくじのう)はよく発達している。大きさは種によって異なり、頭胴長50~100センチメートルに達する。なお、より広義にはウサギワラビー属、イワワラビー属、ツメオワラビー属、ヤブワラビー属、クアッカワラビー属などの仲間もワラビーの名でよばれる。

[中里竜二]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワラビー」の意味・わかりやすい解説

ワラビー
wallaby

有袋目カンガルー科の動物のうち中型種の総称。比較的大型のワラビー属 Wallabia,岩地に適応したイワワラビー属 Petrogale,ウサギ大でとび方がノウサギに似たウサギワラビー属 Lagorchestes,尾の先端に角質の距 (けづめ) があるツメオワラビー属 Onychogaleaなどがいる。おもにオーストラリアに分布する。

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デジタル大辞泉プラス 「ワラビー」の解説

ワラビー〔沖縄県〕

沖縄タイムス社が発行する同名の子供向け新聞のキャラクター。名称は子どもを意味する沖縄の方言“わらばー”と動物の“ワラビー”から。

ワラビー〔埼玉県〕

埼玉県蕨市で主に活動するキャラクター。1989年、市制30周年を記念して制作、2009年にデザインを一新。

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