ワールドアスレティックス(読み)わーるどあすれてぃっくす(英語表記)World Athletics

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ワールドアスレティックス
わーるどあすれてぃっくす
World Athletics

国際競技連盟(IF)の一つ。通称(日本語略称)は世界陸連。各国の陸上競技連盟の統括団体で1912年に国際陸上競技連盟として創設された。設立当初は存在しなかった選手のプロ化の流れを受けて、2001年にInternational Amateur Athletic Federation(IAAF)からInternational Association of Athletics Federationsに名称変更したが、トップ選手だけでなく多数の一般大衆がレースに参加するようになり、時代のニーズにあわせた組織改革の一環として2019年11月にワールドアスレティックスに改名した。本部を創設当初はストックホルムに置き、のちにロンドンを経て、モナコへと移した。会長はオリンピック陸上男子1500メートルで1980年モスクワ大会、1984年ロサンゼルス大会を連覇し、2012年ロンドン・オリンピックの大会組織委員会会長を務めたセバスチャン・コーSebastian Coe(イギリス。1956― )が2015年から務めている。

 オリンピックの際、国際オリンピック委員会(IOC)の委任を受け、陸上の試合を管理するほか、世界選手権、世界室内選手権、ダイヤモンドリーグなどの大会を主催。また、国際的に適用する競技規則の制定や世界記録の公認、ドーピング問題への対処のほか、巨大化するマラソン大会や子供のスポーツ離れなどの問題にも取り組む。2012年には創立100周年を記念して「陸上殿堂」を創設、短距離・跳躍のジェシー・オーエンス(アメリカ)、マラソンのアベベ・ビキラ(エチオピア)、短距離・跳躍のカール・ルイスCarl Lewis(アメリカ。1961― )ら24人を第1回殿堂入り選手とした。

 加盟国(地域を含む)は2020年の時点で214。バレーボール、バスケットボール、サッカーなどと並んで200の大台を超し、世界でもっとも普及度の高いスポーツ競技団体の一つである。オリンピックでも陸上競技は第1回アテネ大会(1896)から実施競技となっている古い歴史をもち、つねにオリンピックの中心競技として存在する。

 実質上の決定機関である理事会は、会長、副会長4人、理事3人、最高経営責任者(CEO)の9人で構成され、戦略、予算など重要事項のほとんどをここで決定する。CEOは、前会長のラミン・ディアクLamine Diack(セネガル。1933― )がドーピング証拠隠滅に絡む収賄容疑やオリンピック招致の買収疑惑を招いたことを受けて、財務管理を見直すために国際的な監査法人デロイトから専門家を招いた。総会は2年に一度、世界選手権大会時に招集される。

[加藤博夫・中西利夫 2021年1月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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