一膳飯(読み)イチゼンメシ

デジタル大辞泉 「一膳飯」の意味・読み・例文・類語

いちぜん‐めし【一膳飯】

茶碗1杯だけの飯。盛り切りの飯。
死者に供える盛り切りの飯。ふつう他に分与しない意で箸を立てる。枕飯まくらめし

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精選版 日本国語大辞典 「一膳飯」の意味・読み・例文・類語

いちぜん‐めし【一膳飯】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 食器に盛り切りにして売る飯。一膳飯屋で食べさせる飯。一膳盛り。
    1. [初出の実例]「うすいぞや・一膳めしに添ゆる汁」(出典:雑俳・住吉おどり(1696))
  3. ( 神または特定の人を目ざして盛り切りの飯を供したところから転じて ) 死者に供する飯。枕飯。箸を立てる例が多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「一膳飯」の意味・わかりやすい解説

一膳飯 (いちぜんめし)

1杯だけしか食べぬ食べ方,またはおかわりのないように丼に高盛りにして出す飯の出し方をさす。現在の食事の礼儀作法からは一膳飯は嫌われ,一口でもよいから飯は2膳食べるものとしつける家庭が多い。これは一膳飯が死者の枕元に供える枕飯葬式の食別れの飯を連想させるためで,飯に箸をつきたてることと同様に忌まれている。葬儀だけでなく婚礼でも〈鼻つき飯〉〈高盛り飯〉として一膳飯を出す所は多い。また日光輪王寺の〈強飯(ごうはん)式〉,京都北白川の天神宮の祭礼では,儀礼的に高盛りにした飯を食べる。絵巻物に散見されるところによると,中世くらいまでは飯を高盛りにしてそのまわりに副食の小皿を置く配膳法をとっていたようである。現在高盛りの一膳飯は儀礼の中だけに見られるが,ただ,食堂の丼飯などでは手間を省くためこの盛り切りの出し方をする。
椀飯(おうばん)
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葬儀辞典 「一膳飯」の解説

一膳飯

枕飾りとして供えます。故人生前に使用していた茶碗に、ご飯を山盛りにして箸を中央に立てます。

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