七偏人(読み)シチヘンジン

デジタル大辞泉 「七偏人」の意味・読み・例文・類語

しちへんじん【七偏人】

滑稽本梅亭金鵞作、梅の本鶯斎画。安政4年(1857)から文久3年(1863)にかけて5編5冊を刊行江戸の遊び人仲間7人が、のんきないたずら茶番に明け暮れる日々を描く。

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精選版 日本国語大辞典 「七偏人」の意味・読み・例文・類語

しちへんじん【七偏人】

  1. 滑稽本。五編五冊。梅亭金鵞(ばいていきんが)作。梅の本鶯斎画。安政四~文久三年(一八五七‐六三)刊。江戸の遊び仲間七人が、半可通大愚をだしに、茶番やいたずらの趣向を競い合って日を送るさまを、四季にわたって描いたもの。題名は、滝亭鯉丈作「八笑人」と「和合人」の間をとり、中国竹林七賢人をもじったもの。

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百科事典マイペディア 「七偏人」の意味・わかりやすい解説

七偏人【しちへんじん】

幕末滑稽(こっけい)本。梅亭金鵞作,1857年―1863年刊。5編15冊。〈妙竹林話〉の角書(つのがき)がある。滝亭鯉丈の《花暦八笑人》の滑稽をさらに誇張。7人の江戸遊民の茶番狂言を,滑稽と駄洒落(だじゃれ)で描いたもの。梅亭金鵞はのちに《団団珍聞(まるまるちんぶん)》主筆

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「七偏人」の意味・わかりやすい解説

七偏人
しちへんじん

江戸時代末期の滑稽本梅亭金鵞 (きんが) 作。5編 15冊。安政4 (1857) ~文久3 (63) 年刊。角書に「妙竹林話」とある。題名は滝亭鯉丈 (りゅうていりじょう) の『花暦八笑人』にならい,中国の竹林七賢人をもじったもの。喜次郎を中心に7人ののらくら者の生活を描いており,混乱した幕末の世相を反映している。

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世界大百科事典(旧版)内の七偏人の言及

【梅亭金鵞】より

…柳剛流の剣客であったが,25歳で瓜生家の養子となり,戯作を志して松亭金水に入門した。人情本に《柳之横櫛(やなぎのよこぐし)》《春宵風見草(しゆんしようかざみぐさ)》(ともに刊年未詳)があるが,代表作は滑稽本《七偏人(しちへんじん)》(5編15冊,1857‐63)である。滝亭鯉丈(りゆうていりじよう)作《花暦八笑人》《滑稽和合人》にならって,江戸末期の遊民の頽廃的生活を描くもので,あくどいくすぐりによる笑いを打ち出している。…

※「七偏人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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