万喜城跡(読み)まんぎじようあと

日本歴史地名大系 「万喜城跡」の解説

万喜城跡
まんぎじようあと

[現在地名]夷隅町万木

東・西・北の三方夷隅川に囲まれた城山しろやまに築かれた中世の城跡。満喜・万木とも記した。応永一九年(一四一二)摂津国から当地に移った土岐時政が築城したと伝え、また美濃を追われた土岐頼芸が身を寄せたともいう(美濃明細記・寛政重修諸家譜)。明応期(一四九二―一五〇一)に土岐頼元の娘が里見成義に、土岐為頼の娘が里見義尭に嫁したと伝えており(「里見代々記」など)、天文七年(一五三八)の第一次国府台合戦では里見氏・武田氏・東金とうがね酒井氏らとともに参戦している。戦後、上総に進出する里見氏と武田氏が対立、同一三年には西の小田喜おだき(現大多喜町)に里見氏重臣の正木時茂が入った(里見九代記)。永禄七年(一五六四)の第二次国府台合戦では里見方であったようだが敗北に終わり、以後小田原北条氏の勢力下に属したとみられ、里見氏の攻撃をうける。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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