朝日日本歴史人物事典 「三輪田元綱」の解説
三輪田元綱
生年:文政11.6.21(1828.8.1)
幕末維新期の尊攘派志士。元綱は名,通称綱一郎。伊予国久米郡久米村(愛媛県松山市)の日尾八幡宮神官三輪田清敏の3男。母は米。伊予国大洲出身の国学者常磐井厳戈,矢野玄道らと交わり,京都に出て大国隆正に学ぶ。文久3(1863)年尊攘行動の一還として,京都等持院に安置されていた足利3代の木像の首を切って三条大橋下の河原に梟すという,いわゆる足利事件に加わる。そのため幕吏に捕らえられ,但馬国(兵庫県)豊岡に幽閉された。慶応3(1867)年12月に許され,維新政府に登用されて外務権大丞にまで昇進するが,のち郷里に戻り神官を勤めた。なお夫人の真佐子は女子教育家。
(高木俊輔)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報