上勝(読み)かみかつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「上勝」の意味・わかりやすい解説

上勝(町)
かみかつ

徳島県中央部、勝浦郡にある町。1955年(昭和30)福原、高鉾(たかほこ)の2村が合併、町制施行して成立。剣(つるぎ)山地に位置し勝浦川が町域を蛇行して流れ、河岸段丘上に集落が立地する。山地斜面の八重地(やえじ)では、かつて子牛を飼育して平地に出す慣行があり、八重地牛とよばれた。高鉾地区はカンキツ類栽培アマゴ養殖、福原地区はスダチの産が多い。近年ではユニークな地場産業として、紅葉や南天など、料理のつま物の生産が盛んになっている。勝浦川には多目的ダムの正木ダムがあり、その上流にキャンプ場を備えた月ヶ谷温泉もある。西部にある高丸山(1438メートル)と殿川内渓谷は中部山渓県立自然公園に指定され、原生林は県の保全地域となっている。面積109.63平方キロメートル、人口1380(2020)。

[高木秀樹]

『『上勝町誌』(1979・上勝町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「上勝」の意味・わかりやすい解説

上勝[町] (かみかつ)

徳島県中部,勝浦郡の町。人口1783(2010)。勝浦川上流域を占め,町域の大部分山林で,集落は勝浦川と支流谷底および山腹斜面に散在する。下流部の高鉾地区は隣接する勝浦町とともに古くからミカン栽培が盛んで,総耕地面積の多くがウンシュウミカンを中心とする果樹園となっている。上流部の福原地区では,ユコウ,スダチ,花木などの栽培も見られる。林業も盛んで,人工林が多く,用材生産のほか,シイタケの生産量も多い。近年はノザワナ,ワケギなどの高冷地野菜栽培のほか,アマゴ養殖にも力を入れている。殿河内谷一帯は中部山渓県立自然公園に指定され,1977年に完成した正木ダム上流部には月ヶ谷温泉(単純硫化水素泉,16℃)がある。
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百科事典マイペディア 「上勝」の意味・わかりやすい解説

上勝[町]【かみかつ】

徳島県中部,勝浦郡の町。勝浦川上流の山地を占め,林業が盛んで,スギ良材を産する。ミカン栽培,畜産,高冷地野菜の栽培も行う。109.63km2。1783人(2010)。

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