下音(読み)げおん

精選版 日本国語大辞典 「下音」の意味・読み・例文・類語

げ‐おん【下音】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 低い音や声。
    1. [初出の実例]「調子低(てうしびく)に下音(ゲヲン)で、さながら悲しさふなる声色」(出典浮世草子傾城禁短気(1711)二)
  3. 謡曲音階一つの音。上音中音に対していう。下(げ)。〔わらんべ草(1660)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「下音」の意味・わかりやすい解説

下音 (げおん)

仏教音楽講式や,《平家物語》を詞章とする平曲旋律型の一つ。講式の下音は,初重(しよじゆう)に続く比較的短い旋律型で,二重と同じような機能と曲調だが,音域が二重より低く,初重のそれにほぼ近いものをいう。二重の場合より使用頻度は小さい。平曲の下音は拾イ物において上音に前置され,上音とともに勇壮な場面に用いられる。そのほか,低い音域やその旋律を下音という分野があり,謡の音階音〈下(げ)〉を下音ということがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android