六訂版 家庭医学大全科 の解説
不健康な生活習慣がたどる道
ふけんこうなせいかつしゅうかんがたどるみち
Result of unhealthy lifestyle
(生活習慣病の基礎知識)
不健康な生活習慣を続けた場合、次の5つの段階を踏んでいくことになります(図2)。
①不健康な生活習慣の継続
食生活の乱れ(過食、塩分過剰、脂肪過剰、カルシウム不足など)、運動不足、休養不足、過度の飲酒、喫煙などを続けている時期です。
②
自覚症状はありませんが、検査値には異常が現れてきます。
体重の増加、血圧値の上昇、血糖値の上昇、脂質の変化、骨量の減少などです。がんが発生していても、まだ検査で発見されるほどには大きくなっていません。
③生活習慣病の発症
自覚症状はほとんどありません。
肥満症、高血圧、糖尿病、脂質異常症、
④生活習慣病の増悪
自覚症状が現れます。
高血圧や脂質異常症などでは、動脈硬化から
⑤活動低下・要介護状態
脳血管障害では、脳梗塞や脳出血により
* * *
現代の日本は超高齢社会となりましたが、それに伴って脳卒中、がん、腎不全、失明、ぼけなどに苦しむ人たちが激増してきました。心身ともに自立した活動的な状態で生活できる期間を「健康寿命」といいます。
健康寿命を短縮させるこれらの病気の多くは、不健康な生活習慣の結果起こるものだといえます。健康寿命を長くするのも短くするのも、ある程度は個人の生活習慣への取り組みが左右するといっても過言ではありません。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報