寝たきり(読み)ねたきり(その他表記)Bedridden

六訂版 家庭医学大全科 「寝たきり」の解説

寝たきり
ねたきり
Bedridden
(お年寄りの病気)

さまざまな原因が考えられる

 寝たきりになった人が受診された時は、まず経過を聞きます。急に寝たきりになったか、数週間で徐々に寝たきりになったかが問題となります。

①急に寝たきりになった場合

 急に寝たきりになった場合は、意識がはっきりしているかどうかで、病気程度がわかります。意識がはっきりしていない時には、すぐ病院を受診してください。脳卒中などの病気が考えられます。

 意識がはっきりしている時には、動くと痛がるかどうかを調べます。背中が痛くて動けない時は、背骨が一部つぶれている可能性があります。1~2週間で良くなりますが、病院で痛み止めの薬(エルシトニン)を注射すると、痛みは数日で良くなります。

 心臓が悪くなっても動けなくなります。心臓が悪い医者から言われている人が寝たきりになったら、病院で治療を受ければ具合が良くなります。

②徐々に寝たきりになった場合

 1~2週間で寝たきりになった場合の原因としては、薬や病気が原因で食事が食べられなくなり、衰弱したり脱水状態になっていることが考えられます。この場合も、原因を調べて治療すれば良くなる可能性があるので、ぜひ病院を受診してください。受診の際は、最近のんでいる薬を持参してください。漢方薬市販薬でも、体に合わないと衰弱の原因になります。

 脳卒中(のうそっちゅう)の後や認知症が進んだ場合には、数週間で徐々に寝たきりになる場合があります。この場合、パーキンソン病であったり、うつであったならば、早い段階ならば薬によって良くなる可能性があります。まず、病院で相談してください。

注意する点

 寝たきりになると数日で背中などに床ずれ褥瘡(じょくそう))ができます。3~4時間ごとに体の向きを変えれば、床ずれは予防できるので、数時間おきに体の向きを変えるようにしてください。

服部 明徳

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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