不文(読み)フブン

デジタル大辞泉 「不文」の意味・読み・例文・類語

ふ‐ぶん【不文】

文章文字に書き表してないこと。「不文密約を交わす」→成文
文字を知らないこと。学問のないこと。
文章が下手なこと。また、その文章。
文化の開けていないこと。
西洋文明とし、亜細亜を―とするものは」〈福沢文明論之概略

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「不文」の意味・読み・例文・類語

ふ‐ぶん【不文】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 文章に書き表わしてないこと。
    1. [初出の実例]「天爵的に貴族となった報(むくい)に受る不文(フブン)刑罰である」(出典:それから(1909)〈夏目漱石〉一)
  3. 文字を知らないこと。文事に暗いこと。文章がへたなこと。また、そのさま。ふもんじ。ふもん。
    1. [初出の実例]「行文の間に少しでも臆断の匂があればそれは不文の結果である」(出典:比較言語学に於ける統計的研究法の可能性に就て(1928)〈寺田寅彦〉)
  4. 飾りがないこと。また、そのさま。〔孝経‐喪親〕
  5. 文化・文明が開けていないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「吾国は小国にて、しかも不文なる国なれば」(出典:太平策(1719‐22))

ふ‐もん【不文】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 文字を知らないこと。文事に暗いこと。文章のへたなこと。また、そのさま。ふもんじ。ふぶん。
    1. [初出の実例]「在宝処持秀芳一行来。一見返之。文章不文也」(出典:蔭凉軒日録‐文明一八年(1486)六月二七日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「不文」の読み・字形・画数・意味

【不文】ふぶん

無学

字通「不」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android