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世界の医療団 せかいのいりょうだん Medecins du monde/MDM

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知恵蔵2015の解説

世界の医療団

世界各国に医療・保健衛生分野の専門ボランティアを派遣し、人道医療支援に取り組む国際NGOのこと。国籍、人種、民族、思想、宗教などあらゆる壁を越えて、世界で最も弱い立場にある人々に支援の手をさしのべることを目的に、フランス人医師・ベルナール・クシュネルと彼に賛同する医師たちにより、1980年にフランス・パリで設立された。現在、12の代表部と4つの支部が存在し、世界50カ国で年間90のプロジェクトが実施されている。
日本では、阪神・淡路大震災における支援活動を契機に、95年3月に日本支部が設立された。アジアにおける活動拠点となっており、日本からも多数の医師や看護師が世界各国に派遣されている。08年9月、エチオピアで活動していた世界の医療団所属の医師、赤羽桂子さんが、同僚のオランダ人看護師ウィリアム・スールズさんとともに武装集団に誘拐され、09年1月に解放されたことでも注目を集めた。
世界の医療団は、「治療する」ことを第一の使命としている。先天的疾患や戦災などが原因で、顔面や身体に著しい奇形・損傷が生じた人々に修復外科手術を行い、ごく普通の社会生活を取り戻そうという「スマイル作戦」や、HIVエイズ患者に医療支援とともに心のケアやHIV・エイズの予防を行う活動、医療・保健衛生システムが崩壊した国への保健衛生システム再構築プロジェクト、戦災や貧困に苦しむ子供たちへの自立支援を目的とした医療支援をはじめとする長期的・継続的な支援など、さまざまなプロジェクトを実施している。
一方、もう一つの使命を「証言する」こととして、医療を超えた「証言」という手段で世論に訴える“アドボカシー(権利擁護)活動”にも力を注いでいる。最も弱い立場の人々に医療支援を行ううえで障壁となるもの、人権や人間の尊厳を侵害するものを、医療を通じて「証言」していくことで、より効果的な医療支援を実施することをその目的としている。

(星野美穂 フリーライター / 2009年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

世界の医療団

パリに本部を置く人道医療支援NGO。世界各地に医師や看護師など専門ボランティアを派遣し、武力紛争自然災害で満足な医療が受けられない人たちに対する支援に取り組んでいる。ノーベル平和賞を受賞したNGO「国境なき医師団」の共同創設者であるフランスのクシュネル現外相らが80年に設立した。日本、英国など4カ国に支部を持つほか、世界各地に12の代表部がある。

(2009-01-08 朝日新聞 夕刊 1社会)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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