中山忠能(読み)なかやまただやす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中山忠能」の意味・わかりやすい解説

中山忠能
なかやまただやす
(1809―1888)

幕末・明治前期の公家(くげ)。文化(ぶんか)6年11月11日生まれ。1813年(文化10)侍従。47年(弘化4)権大納言(ごんだいなごん)に昇進。49年(嘉永2)より63年(文久3)まで断続的に議奏(ぎそう)、議奏加勢を勤める。この間幕府の外交措置問題に関したびたび意見を述べた。公武合体、和宮(かずのみや)降嫁岩倉具視(ともみ)らと推進するが、62年尊攘(そんじょう)派の台頭により糾弾され、8月一時差控(さしひかえ)を命ぜられる。同年12月国事(こくじ)御用掛に復活し幕府に攘夷(じょうい)の実行を迫る。翌64年(元治1)禁門(きんもん)の変に際し、長州藩のために尽力し禁足処分を受けた。67年(慶応3)1月皇太子(母は忠能の女(むすめ)慶子(よしこ))践祚(せんそ)を機に参朝許可となる。王政復古実現に尽力し議定(ぎじょう)に任命され、以後神祇(じんぎ)官知事、宣教長官などを歴任した。明治21年6月12日没。

[佐々木克]

『日本史籍協会編・刊『中山忠能日記』全4巻(1926/復刻版・1973・東京大学出版会)』『日本史籍協会編・刊『中山忠能履歴資料』全10巻(1932~35/復刻版・1974・東京大学出版会)』

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改訂新版 世界大百科事典 「中山忠能」の意味・わかりやすい解説

中山忠能 (なかやまただやす)
生没年:1809-88(文化6-明治21)

幕末・維新期の公卿。羽林家200石の中山家に生まれ,権大納言にすすむ。曾祖父愛親が尊号一件にかかわり,その子中山忠光天誅組の乱に参加。また娘慶子が権典侍として孝明天皇に仕え,祐宮(明治天皇)を生んだので,外祖父として養育にあたる。幕府からの公武合体のための和宮降嫁要請には岩倉具視とともに活動し,和宮に従って東下した。具視のように朝廷を追われることはなかったが,1864年(元治1)禁門の変後参朝を停止された。しかし67年(慶応3),明治天皇が即位すると出仕が許されて朝政の中心となる。この間,蟄居(ちつきよ)を命ぜられていた岩倉具視と連絡をとり,討幕の密勅がだされるにあたって重要な役割を果たした。王政復古とともに議定に就任し,新政府の下では神祇官知事などを歴任する。《中山忠能日記》3巻がある。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「中山忠能」の解説

中山忠能
なかやまただやす

1809.11.11~88.6.12

幕末・維新期の公家。明治天皇の外祖父。忠頼の次男,母は正親町(おおぎまち)実同の女綱子。1847年(弘化4)権大納言,58年(安政5)議奏。61年(文久元)和宮降嫁の際,御用掛として江戸に赴く。翌年一時差控の後,国事御用掛。長門国萩藩尊攘派を支援し,64年(元治元)禁門の変後,参朝停止。67年(慶応3)明治天皇践祚(せんそ)で赦免,鹿児島・萩両藩に討幕の密勅を下す。王政復古で議定。68年(明治元)輔弼(ほひつ),従一位准大臣。69年神祇伯,賞典禄1500石。84年侯爵。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中山忠能」の解説

中山忠能 なかやま-ただやす

1809-1888 江戸後期-明治時代の公卿(くぎょう),華族。
文化6年11月11日生まれ。明治天皇の外祖父。中山慶子(よしこ),中山忠光の父。安政5年幕府の条約勅許奏請に反対,のち公武合体論をとなえ,和宮降嫁をすすめる。萩(はぎ)藩の尊攘(そんじょう)派を支持して,禁門の変後出仕停止となる。慶応3年明治天皇践祚(せんそ)でゆるされ,王政復古により議定(ぎじょう)となる。従一位,准大臣。侯爵。明治21年6月12日死去。80歳。

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旺文社日本史事典 三訂版 「中山忠能」の解説

中山忠能
なかやまただやす

1809〜88
幕末・維新期の公卿
明治天皇の外祖父。安藤信正の公武合体運動に加わり岩倉具視らと和宮 (かずのみや) 降嫁に尽力し,尊攘派志士に弾劾 (だんがい) される。のち討幕派となり,討幕の密勅案を奏上。王政復古とともに議定となった。

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367日誕生日大事典 「中山忠能」の解説

中山 忠能 (なかやま ただやす)

生年月日:1809年11月11日
江戸時代;明治時代の公卿。侯爵
1888年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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