中村直勝(読み)ナカムラ ナオカツ

20世紀日本人名事典 「中村直勝」の解説

中村 直勝
ナカムラ ナオカツ

大正・昭和期の日本史学者 元・大手前女子大学学長



生年
明治23(1890)年6月7日

没年
昭和51(1976)年2月23日

出生地
滋賀県滋賀郡大津町(現・大津市)

学歴〔年〕
京都帝大文科大学史学科〔大正4年〕卒

学位〔年〕
文学博士(京都帝大)〔昭和21年〕

経歴
大正9年三高教授、昭和11年京都帝大助教授兼任、31年京都女子大学教授を経て、41年大手前女子大学学長に就任古文書学を専攻し、各地寺社などに所蔵してあった古文書の整理・保存に力を尽くした。とくに莫大な量にのぼる東大寺文書を整理した功績は大きい。46年日本古文書学会会長もつとめた。主著に「日本文化史―南北朝時代」「荘園研究」「日本古文書学」(全3巻)、「中村直勝著作集」(全12巻 淡交社)など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中村直勝」の意味・わかりやすい解説

中村直勝
なかむらなおかつ
(1890―1976)

歴史学者。明治23年6月7日、滋賀県に生まれる。1915年(大正4)7月京都帝国大学文科大学卒業。19年9月より第三高等学校で歴史学を講じ、27年(昭和2)7月からは京都大学でも古文書学を担当した。第二次世界大戦後は京都女子大学教授を経て、66年(昭和41)からは大手前女子大学(現、大手前大学)学長を務めた。三高以降の長い教職の間に幾多の俊才を育てた。南北朝時代史、荘園(しょうえん)経済史に関する多くの成果を残している。ライフ・ワークは古文書学の研究であり、それは『日本古文書学』となって結実した。

[佐藤和彦]

『『日本古文書学』上中下(1971~77・角川書店)』『『中村直勝著作集』全12巻(1978~79・淡交社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中村直勝」の解説

中村直勝 なかむら-なおかつ

1890-1976 大正-昭和時代の日本史学者。
明治23年6月7日生まれ。大正9年三高教授となり,京都帝大助教授を兼ねたが,昭和23年公職追放で退官。のち京都女子大教授,大手前女子大学長を歴任。中世荘園史,南北朝史および古文書学の研究で知られる。昭和51年2月23日死去。85歳。滋賀県出身。京都帝大卒。著作に「南朝の研究」「荘園の研究」「日本古文書学」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「中村直勝」の解説

中村 直勝 (なかむら なおかつ)

生年月日:1890年6月7日
大正時代;昭和時代の日本史学者。大手前女子大学学長;日本古文書学会会長
1976年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の中村直勝の言及

【荘園】より

…天皇による国家的土地支配を崩壊させた荘園の〈弊害〉を探るため国衙領にも着目した栗田寛,清水正健,天皇家領の伝領を研究した八代国治は前者に属する。伝領関係とともに荘民の多面的な生活を解明しようとした中村直勝,牧野信之助,荘園を律令制以前の田荘(たどころ)と結びつけ荘園絵図,倉庫,港湾にまで視野をひろげた西岡虎之助は後者に属する。その両者を結びつけたのが清水三男であった。…

※「中村直勝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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