20世紀日本人名事典 「中野桂樹」の解説
中野 桂樹
ナカノ ケイジュ
大正・昭和期の彫刻家
- 生年
- 明治22(1889)年1月27日
- 没年
- 昭和40(1965)年2月6日
- 出生地
- 青森県西津軽郡川除村蓮川
- 本名
- 中野 健作
- 学歴〔年〕
- 東京美術学校(現・東京芸術大学)〔大正10年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 東台彫塑展東日大毎賞〔大正12年〕
- 経歴
- 少年時代から弘前の彫刻家・早坂寿雲に木彫の手解きを受け、大正7年上京して太平洋画会研究所に入り藤井浩祐に塑造を学ぶ。また東京美術学校彫刻別科の朝倉文夫教授の教室に籍を置き彫塑修業の本格的基礎を沢田政広らと共に研修し、10年卒業。7年第12回文展に初入選して以来、文展・帝展で活躍。昭和4年第10回帝展「慈眼」、第11回帝展「瑞応」、第12回帝展「浄薫」で連続3回特選を得て、6年帝展無鑑査となる。この間、大正12年東台彫塑展で東日大毎賞を受け、戦後の日展では、昭和24年出品の「鹿」が政府買い上げとなり、29年審査員を務めるなど、終始官展系の木彫耆宿作家として重きをなした。一方、東京美術学校を卒業後、内藤伸に師事した縁で、6年日本木彫会の創立に参画。以来36年に同会解散となるまで中核的存在として活躍し、伝統木彫の新解釈による雅致に富んだ独自の作風を打ち立てた。15年には太平洋美術学校教授として北支那5省及び満州・朝鮮などに7ケ月間旅行し東洋美術を見学した。本名は健作。他の作品に「恵雨」「転生」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報