久慈街道(読み)くじかいどう

日本歴史地名大系 「久慈街道」の解説

久慈街道
くじかいどう

八戸城下の鍛冶かじ町を起点とし、中居林なかいばやしから田代たしろ(現三戸郡階上町)を経て、階上はしかみ(七四〇・一メートル)の西麓を縦断し、大野おおの(現岩手県九戸郡大野村)夏井なついから久慈(ともに現岩手県久慈市)に至る街道。久慈側からは八戸街道と称する。現在の主要地方道八戸―大野線にあたる。

沿道田代村・大野村・夏井村には公用物資の輸送のための伝馬継所が開設されており、伝馬高は田代村一〇〇石、大野村七五石、夏井村五〇石とされていた(「御勘定所日記」天明四年正月二六日条)。各村の伝馬高は免税高であったので、権益として他村へ譲渡されることがあった。宝暦八年(一七五八)田代村では一〇〇石のうち五〇石が晴山沢はれやまざわ(現階上町)へ譲渡され、さらに島守しまもり(現三戸郡南郷村)浜山根はまやまね通の村(現階上町)種市たねいち(現九戸郡種市町)へと移されている(「八戸藩勘定所諸願留」上杉家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「久慈街道」の意味・わかりやすい解説

久慈街道
くじかいどう

青森県八戸市と岩手県久慈市を結ぶ街道。全長約 80km。江戸時代には八戸藩の重要な街道の1つで,沿道一帯で産する雑穀木材薪炭などが八戸港に運ばれ,さらに江戸大坂へ輸送された。

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