日本歴史地名大系 「九頭神社」の解説 九頭神社くずじんじや 和歌山県:那賀郡那賀町中村九頭神社[現在地名]那賀町麻生津中 宮ノ原旧村社。祭神は大国主(おおくにぬし)命・須佐男(すさのお)命・稲田姫(いなだひめ)命。麻生津(おうづ)荘の総氏神とされた。口碑によれば、西脇(にしわき)(現那賀町)居住の若林家の祖先が北脇(きたわき)(現同上)の紀ノ川半田(はんだ)淵で神体を発見、村民がその奇瑞に感激して現在地に祀ったという。「続風土記」によれば、かつて境内は東西一町・南北一町三八間あり、本社・舞台のほかに末社として下司社・公文社・露伏社・祇園社・祓戸社が鎮座。本地仏は馬頭観音で左右に普賢・文殊が祀られていたという。また神宮(じんぐう)寺とよぶ別当寺があったとも記される。 九頭神社くずじんじや 奈良県:奈良市柳生・田原地区下狭川村九頭神社[現在地名]奈良市下狭川町白砂(しらすな)川の支流前(まえ)川西岸にある。祭神天手力男(あまのたぢからお)命。旧村社。境内に長享三年(一四八九)七月造立の四角形石灯籠がある。上狭川座・下狭川座の宮座があり、奈良市狭川両(さがわりよう)町・西狭川町で当社の敬神講が組織され、一〇月一七日の例祭には「三角とび」「ピッピラ」と俗称する芸能と翁舞を奉納する。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by