乳親(読み)チオヤ

デジタル大辞泉 「乳親」の意味・読み・例文・類語

ち‐おや【乳親】

母親の代わりに乳を飲ませて子を育てる女。うば。めのと。
実母より先に新生児に乳を飲ませて仮の親子関係を結んだ人。乳飲み親。乳代ちしろ。乳付け親。

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精選版 日本国語大辞典 「乳親」の意味・読み・例文・類語

ち‐おや【乳親】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 母親の代わりに乳児に乳を飲ませて育てる女。うば。めのと。
  3. 生児呪術的に他人の乳を少し飲ませ、仮の親子関係を取り結んだ親。乳飲親

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百科事典マイペディア 「乳親」の意味・わかりやすい解説

乳親【ちおや】

乳付親とも。最初授乳の際,母親に代わって乳を飲ませる女性。普通異性の子をもつ人が選ばれた。乳母のように養育することはないが,乳親の子と乳子の間には乳兄弟の関係が生まれる。起源については,呪術(じゅじゅつ)的効果を期待したとする説もあるが,授乳経験のない乳房(ちぶさ)の乳は吸いにくいため,生児を助ける実際上の配慮から生まれたとする説も有力である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「乳親」の意味・わかりやすい解説

乳親
ちおや

初の授乳に他人の乳を用いる習俗があり、その人を仮の親とたてたもの。乳付親(ちつけおや)、乳飲親(ちのみおや)ともいう。男児には女児の母を、女児には男児の母を迎える風がある。生命源泉である授乳を縁にして、乳親の特別な保護のもと、新生児の無事な成長を願う呪術(じゅじゅつ)的な意味がみられる。名付け親、拾い親などと同じく乳親についても、あとあとまで親子の交際を続けた。

竹田 旦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「乳親」の意味・わかりやすい解説

乳親
ちおや

乳母」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の乳親の言及

【乳母】より

…乳母の制度のあるところでは,一般に支配者一族,ことに哺育された子どもと,乳母やその家族との間に緊密な主従関係がかためられていた。乳母と哺育された子との間に乳親族関係が生ずることも少なくない。北カフカスのアブハジア族では,出産後2~3日は母が授乳し,あとは乳母にあずけられる。…

※「乳親」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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