乾性ガス(読み)カンセイガス(その他表記)dry gas

デジタル大辞泉 「乾性ガス」の意味・読み・例文・類語

かんせい‐ガス【乾性ガス】

メタン主成分とし、プロパンなどの重い炭化水素をほとんど含まない可燃性天然ガス常温常圧で液化する成分を含まないことから、こうよばれる。→湿性ガス

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「乾性ガス」の意味・わかりやすい解説

乾性ガス
かんせいがす
dry gas

天然ガスうち、メタンを主成分とするもので、プロパンより重い炭化水素成分をまったく含まないか、含んでもごく少量のものをいう。常温・常圧で液状に凝縮する成分を含まないことから、このようによばれる。湿性ガスに対する語。ガス田ガス(構造性ガスともいう)、炭田ガス、地層水中に溶存するガスで地上にくみ上げることにより分離する水溶性ガスなどは乾性ガスの場合が多い。

富田 彰]

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化学辞典 第2版 「乾性ガス」の解説

乾性ガス
カンセイガス
dry gas

天然ガスのうち,炭化水素成分がほとんどメタンのみのものをいう.成因的に石油関係のない炭田ガスや水溶性ガスは乾性ガスである.これに対して,油田ガスにはメタンのほかエタンプロパンブタンなどを含む湿性ガスが多い.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「乾性ガス」の意味・わかりやすい解説

乾性ガス
かんせいガス
dry gas

可燃性天然ガスのうち,油田と関係のない地方から出るガスをいう。これに対し,油田地方から出る天然ガスで,比較的液化しやすい留分を多く含むものを湿性ガス wet natural gasという。乾性ガスの主成分はメタンで,ほかに一酸化炭素,炭化水素などが含まれている。特殊な触媒によって水蒸気と反応させて水素をつくり,アンモニアやメタノールの合成原料に用いる。日本の天然ガスは,湿性ガスよりも乾性ガスが多い。

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世界大百科事典(旧版)内の乾性ガスの言及

【天然ガス】より

… 天然ガスの主成分はパラフィン系炭化水素で,メタンCH4が最も多いが,さらにCの数が多いエタン,プロパン,ブタン,ペンタン,……などを含むガスも多い(表参照)。ペンタン以上は常温常圧では液相として析出し,これらを含むガスを〈湿性ガス〉といい,メタンが多く,これらの液相を含まないガスを〈乾性ガス〉という。湿性ガスから採取されるガソリンを天然ガソリン(NGL)という。…

※「乾性ガス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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