ブタン(読み)ぶたんでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブタン」の意味・わかりやすい解説

ブタン(データノート)
ぶたんでーたのーと

ブタン
n‐ブタン
CH3CH2CH2CH3
分子式C4H10
分子量58
融点-138.3℃
沸点-0.50
比重0.600(測定温度0℃)
爆発範囲
(重量%)
1.9~8.4
イソブタン
分子式C4H10
分子量58
融点-159.60℃
沸点-11.73
比重0.5983(測定温度-13.6℃)
爆発範囲
(重量%)
1.8~8.4

ブタン
ぶたん
butane

アルカンのうち炭素4個のもので直鎖状のn-ブタンと、枝分れしたイソブタンの2種の異性体がある。普通、ブタンというとn-ブタンをさす。n-ブタンは天然ガス中に存在する。また石油クラッキングによっても得られる。容易に液化し、また炭化水素系溶剤によく溶ける。液化石油ガスLPG)の成分として燃料に用いられるほか、ゴムの製造に用いられる。高温では麻酔性がある。

 イソブタンは湿性天然ガス、石油分解ガス中に含まれるが、n-ブタンの異性化によっても得られる。燃料のほか、脱水素によるイソブチレンの製造などに用いられる。

[佐藤武雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブタン」の意味・わかりやすい解説

ブタン
butane

無色,炭化水素ガス特有の臭いのある気体で,炭素原子の結合様式により2種の異性体がある。 (1) n -ブタンまたは正ブタン  CH3CH2CH2CH3 。湿性天然ガス,ガソリン,石油の分解生成物などに含まれる。沸点-0.5℃。工業用燃料に使われ,またガソリンの蒸気圧を変えたり,オクタン価を高めるために添加される。水蒸気酸素などと反応させるか熱分解するかして,合成ガス,都市ガスなどにも利用する。ブテンまたブタジエンなどの石油化学製品の原料にも使われる。 (2) イソブタン  (CH3)3CH 。湿性天然ガスや石油分解ガス中に含まれる。沸点-11.73℃。イソパラフィン類の製造原料に,液化したものはガスライター用,工業用燃料に用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

期日前投票

期日前投票制度は、2003年6月11日公布、同年12月1日施行の改正公職選挙法によって創設された。投票は原則として投票日に行われるものであるが、この制度によって、選挙の公示日(告示日)の翌日から投票日...

期日前投票の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android