亀甲山古墳(読み)かめのこやまこふん

日本歴史地名大系 「亀甲山古墳」の解説

亀甲山古墳
かめのこやまこふん

[現在地名]大田区田園調布一丁目

武蔵野台地の南西部、多摩川眼下に望む多摩川左岸の台地上にある。全長一〇七メートル、後円部径六六メートル、後円部高さ一一・四メートル、前方部幅四九・五メートル、前方部高さ七・三メートルで、前方部二段・後円部三段築成の前方後円墳である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「亀甲山古墳」の解説

かめのこやまこふん【亀甲山古墳】


東京都大田区田園調布にある古墳時代中期の前方後円墳。多摩川の左岸沿い、北は世田谷区の玉川野毛(のげ)から南は大田区の鵜の木(うのき)にいたる台地に分布する荏原(えばら)台古墳群で最大の前方後円墳。全長107.25m、前方部幅49.5m、同高約7.5m、後円部径66m、同高約10mで、東京都内最大の古墳として東国の古代史研究上きわめて重要な位置を占めているとされ、1928年(昭和3)に国の史跡に指定された。未調査のため詳細は不明だが、古墳時代中期の造営と推定されている。この古墳の約560m西北部には、古墳群で最古と考えられる全長97mの宝来山古墳が、古墳群の対極的な位置にある。一帯は多摩川台公園として整備されている。東京急行電鉄東横線ほか多摩川駅から徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「亀甲山古墳」の意味・わかりやすい解説

亀甲山古墳
かめのこやまこふん

東京都大田区田園調布の多摩川に沿う丘陵上に営まれた前方後円墳。全長約100メートル、後円部径60メートル、同高さ9メートル、前方部幅43メートル、同高さ6メートル。東京都港区の芝丸山古墳、田園調布宝莱山(ほうらいさん)古墳と並ぶ前期の大形前方後円墳であるが、そのうち保存状態はもっともよい。埴輪(はにわ)、葺石(ふきいし)はみられず、内部主体は未確認であるが、同古墳より約500メートル西にあり、粘土槨(ねんどかく)から獣形鏡、紡錘車(ぼうすいしゃ)形石製品などを出土した宝莱山古墳に続く首長墓と考えられる。1928年(昭和3)に国の史跡に指定されている。

甘粕 健]


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