亀石(読み)かめいし

日本歴史地名大系 「亀石」の解説

亀石
かめいし

[現在地名]明日香村大字川原

たちばな寺の旧寺地北辺の畔道を西へ約五〇〇メートル行った地点に奇妙な石がある。ずんぐりとした花崗岩巨石の下端部に、亀か蛙を思わせる獣面が一つ掘出され、亀石と俗称されている。体躯や四肢は特別に彫られていないが、基底部には益田岩船ますだのいわふね(橿原市)の基底部のそれに類似する格子状の刻み目がある。

この謎めいた亀石について古くからさまざまな解釈があり、諸説が発表されている。例えば大字檜前ひのくまから飛鳥への入口にあたる位置にあることから飛鳥京域の守護または結界の石とする説、川原かわら(弘福寺)の寺領の西南隅にあたることから、それを示す示石とする説、現地の渡来系住民の土俗信仰にかかわるとする説、また朝鮮における亀趺と同様の石造品の未完成品とする説等々である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「亀石」の解説

亀石(かむしー)

鹿児島県大島郡天城町、徳之島に属する無人島。2009年に政府の総合海洋政策本部が策定した「海洋管理のための離島保全・管理のあり方に関する基本方針」に基づき、名称付与された離島のひとつ

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の亀石の言及

【飛鳥の石造物】より

…奈良県明日香村を中心とし,高取町,橿原市のいわゆる〈飛鳥〉に点在する奇怪な形をした約20個の石造物。仏教美術とは異質にみえ,用途が明らかでないため,〈謎の石〉と呼ばれるが,姿・形から,猿石,人頭石,石人像,亀石,酒舟石,須弥山(しゆみせん)石,益田岩船,立石などと名付けられてきた。例えば〈酒舟石〉は巨石の上面を滑らかにし,円形のくぼみを細長の溝で樹系図状に結んだもので,西の丘陵下に向かって傾斜する。…

※「亀石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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