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予防戦争 よぼうせんそう preventive war

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

予防戦争
よぼうせんそう
preventive war

侵略してくる可能性のある潜在敵国に対し,その戦争遂行能力が自国にとって危険となる前に,機先を制して攻撃し,その侵略の企図を未然に阻止するために,進んで行う戦争。元来自国に対して侵略の意図をもっている潜在敵国に対し,その危険から免れるために行うという点で,一見受動的であるが,純軍事的にみると時機的にも戦力的にも,戦争遂行上,自国に最も有利な時と場所と方法を選ぶ点で,大いに積極的であり,侵略戦争の一種とする見方もある。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

予防戦争

9.11同時多発テロ以降論議されるようになった軍事戦略。従来型の先制攻撃論ではなく、危害を防止するために先制攻撃の前の段階で行う予防的行動である。従来の先制攻撃は今まさに攻撃しようとする意思を持った対象に適用されるものとされてきた。緊急状況下での国家によるこの種の軍事行動は、自衛権の先制的行使として一定程度認められているが、予防的軍事行動現時点直接的な危険はなくとも将来的な危険性を防ぐための軍事行動である。こうした議論が出てきた背景として核技術の流出を始めとした、大量破壊兵器のテロによる使用の危険性が高まったことが挙げられる。科学技術の発達に伴う兵器の小型化や高度な武器を個人が扱えるようになったことで、従来型の国家間の戦争以外にもテロ組織による軍事行動がクローズアップされてきたからであり、国家主権を前提としたウエストファリア体制の変動を告げている。ただしこの種の行動は、攻撃対象の危険性に関する情報を完全に入手できないという難しさをはらんでいる。もし各国がみなこの権利の行使を主張するなら、国際秩序の維持は不可能なものとなるだろう。最も重要な課題は脅威の定義や認定の基準、手続き方法、対抗手段を規定する仕組みを国際間で作り上げることといえる。

(野口勝三 京都精華大学助教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

よぼう‐せんそう〔ヨバウセンサウ〕【予防戦争】

仮想敵国が自国を攻撃する前に、あるいは自国よりも強力になって有利な開戦条件を整える前に、これを予防するために先制して起こす戦争。

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大辞林 第三版の解説

よぼうせんそう【予防戦争】

仮想敵国が将来強大になり、自国を脅かすと予想される場合に、それを防止するため、平和維持などの口実をもうけて先制攻撃を加える戦争。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

予防戦争
よぼうせんそう
preventive war

隣接国または仮想敵国との間に緊張が高まり、相手国の戦力が脅威となる前に破壊したほうが有利と判断した側が、先制攻撃をかけ脅威を排除することをいう。典型的な例として、1967年にイスラエルが周辺のアラブ諸国の戦力増強が脅威であると判断し、なかでも最強の軍事力をもち、イスラエルとの国境に兵力を集結させたエジプトに対し先制攻撃をかけ、保有兵力とくに空軍を徹底的に破壊し、その後の戦闘を有利に展開した、いわゆる「六日戦争」(第三次中東戦争)がある。予防戦争は、類似の行為である奇襲攻撃、緊急避難、戦数(戦時非常事由)、自衛権の発動などと法的にも実質的にも区別しがたい。今日の戦争は高度な科学技術の導入によって短期間で雌雄が決せられることが多く、違法な予防戦争に訴える可能性は高くなっている。また核戦力のように秘密が厳守されている場合、単なる推定によって相手側を脅威とみなして予防戦争に出る場合も十分考えられ、第二撃能力(報復力)を保持することでこの種の戦争を防止しようとしているが、本質的には緊張の緩和・解消こそ最大の予防戦争防止手段であろう。[藤村瞬一]

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