二藍(読み)フタアイ

デジタル大辞泉 「二藍」の意味・読み・例文・類語

ふた‐あい〔‐あゐ〕【二藍】

くれないとを重ねて染めた青みのある紫色二つ色
かさねの色目の名。表裏とも二藍、または表は赤みがかった濃いはなだで、裏は縹色二藍襲ふたあいがさね

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精選版 日本国語大辞典 「二藍」の意味・読み・例文・類語

ふた‐あい‥あゐ【二藍】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 染色の名。紅花で染めた上に藍を重ねて染めた色。紅花と藍の比率は若年ほど藍を淡く、壮年ほど紅を淡くするので、その色はさまざまである。二重(ふたえ)。ふたついろ。ふたい。
    1. [初出の実例]「ふたあゐの織物の袿」(出典:落窪物語(10C後)二)
  3. ふたあいがさね(二藍襲)」の略。
    1. [初出の実例]「うなゐは、あをいろ・ふたあひ、かさねてきたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)

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色名がわかる辞典 「二藍」の解説

ふたあい【二藍】

色名の一つ。二種類のあいを用いて染めたみがかった薄いのこと。一つは一般的な藍染アイタデ科一年草。もう一つはキク科ベニバナ。ベニバナを用いたべには「くれない」とも読むが、これは中国の呉の国から伝えられた「呉藍くれあい」を意味している。このことから、アイとベニバナによる染色の色を二藍という。平安時代から使われてきた伝統色名。語感がよいせいか、店の名前などによく用いられる。

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