五念門(読み)ゴネンモン

デジタル大辞泉 「五念門」の意味・読み・例文・類語

ごねん‐もん【五念門】

仏語世親浄土論に説かれる、浄土に往生するための五つ修行阿弥陀仏の像を礼拝らいはいする礼拝門、阿弥陀仏の名をほめたたえる讃歎さんだん門、浄土に生まれたいと一心に願う作願門、浄土やその菩薩ぼさつの姿を観察する観察かんざつ門、自己功徳を他の生あるものに施し、ともに成仏しようと願う回向えこう門の五つ。

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精選版 日本国語大辞典 「五念門」の意味・読み・例文・類語

ごねん‐もん【五念門】

〘名〙 仏語。極楽に往生するための五つの修行。世親の浄土論に初めて説かれたもので、阿彌陀を礼拝する礼拝門、阿彌陀の功徳を賛美する讚歎門、一心に極楽浄土に往生しようと願う作願門、阿彌陀仏観音勢至および浄土の荘厳などを観察する観察門、自分の功徳を衆生にほどこし、ともにそろって成仏しようと願う回向門の五つ。五念行。五念。〔往生要集(984‐985)〕〔浄土論‐中〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五念門」の意味・わかりやすい解説

五念門
ごねんもん

仏教用語。世親の『浄土論』に説かれるもので,阿弥陀仏の浄土に生れるための念じ方を5種に分類したもの。阿弥陀仏の像を礼拝し (礼拝) ,その名をほめたたえ (賛嘆) ,浄土に生れることを一心に願い (作願) ,浄土の功徳をいろいろ観察し (観察) ,自己の修めた功徳が他人のうえにも及んで,ともに成仏できるよう願って (回向) ,浄土に生れようとすること。

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世界大百科事典(旧版)内の五念門の言及

【浄土論】より

…サンスクリット語原典は現存せず,漢訳(菩提流支(ぼだいるし)訳,6世紀前半)のみ現存。偈頌(韻文)とそれを解説した長行(じようごう)(散文)の部分からなり,特に後者においては,浄土往生の方法として〈五念門〉を説いている。〈五念門〉とは,礼拝,讃嘆,作願,観察,廻向の五つであるが,なかでも観察(浄土を観想すること)が中心で,17種の国土荘厳,8種の仏荘厳,4種の菩薩荘厳よりなる。…

※「五念門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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