5日ぐらいの間隔で40℃近い高熱を繰り返し、全身とくに下肢の脛骨(けいこつ)部が痛むほか、斑(はん)状あるいは丘疹(きゅうしん)状の発疹(ほっしん)がみられることを特徴とする感染症。病原体はリケッチアの一種、バルトネラ・クインタナBartonella quintanaで、シラミによって媒介される。治療にはクロラムフェニコールやテトラサイクリンなどの抗生物質が有効である。第一次世界大戦中にロシアのウォルヒニーエン地方(ポーランドとウクライナの国境地方)で対戦した兵士の間で盛んに流行したので、ウォルヒン熱とか塹壕(ざんごう)熱とよばれて有名になった。第二次大戦中にもヨーロッパ戦線でみられたが、近年はほとんど発生をみなくなった。
[柳下徳雄]
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...