デジタル大辞泉
「五調」の意味・読み・例文・類語
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がん‐じょう【五調ガンデウ・頑丈グヮンヂャウ・岩畳ガンデフ・岩乗ガンジョウ】
- 〘 名詞 〙 ( 歴史的かなづかい未詳 )
- ① ( 五調 ) 名馬に仕上げるための五つの条件。蹄、性質、体格、血統、生産地の五つ(大坪流馬書)。
- [初出の実例]「五調 ガンデウ」(出典:文明本節用集(室町中))
- ② ( 形動 ) 名馬としての条件の整った馬。馬のすぐれて強健なもの。また、そのさま。転じて、五、六歳から一五、六歳までの馬。
- [初出の実例]「足のなえてがんでうにない馬ぞ」(出典:玉塵抄(1563)一四)
- 「巖茸(ガンジャウ)成(なる)馬一疋引て参れ」(出典:浄瑠璃・孕常盤(1710頃)三)
- ③ ( 形動 ) 人または物が、堅固でじょうぶなこと。がっしりしていること。また、そのさま。
- (イ) 人の場合。
- [初出の実例]「矍鑠といえたわ馬援ががんてうななりをにわかにごらうじて」(出典:玉塵抄(1563)二二)
- 「足手強盛(ガンジャウ)なる者をすぐり候故」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品二五)
- (ロ) 物の場合。
- [初出の実例]「門の岩畳にして、家を繞(めぐ)る枳殻の生垣の隙間もなく尖鍼(はり)を立てて」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉四)
- ④ 我(が)を張ること。がんばり。
- [初出の実例]「老の五調(ガンデウ)気はいらくら、急ぐ足取り我が家の軒」(出典:浄瑠璃・艷容女舞衣(三勝半七)(1772)下)
五調の語誌
( 1 )①と②以下が同語源であるか否かは判然としないが、②以下の用例にも「五調」の表記が見られる。「書言字考節用集‐八」に「本朝ノ俗語」として「岩畳・岩乗・五調・四調」を示すことからも、多様な漢字が当てられていたことがうかがわれる。
( 2 )「頑丈」は明治以後の用字といわれているが、明治から昭和にかけても「岩畳」「岩乗」「巖丈」「頑畳」など多様な表記が使われた。
ご‐ちょう‥テウ【五調】
- 〘 名詞 〙
- ① 中国の古代音楽に使われた五つの調子。瑟調・平調・清調・楚調・側調の五調子をいう。〔琴学大意抄(1728頃)〕
- ② 「ごちょうし(五調子)」の略。〔魏書‐楽志〕
- ③ 体の調子がよく健康であること。頑強であること。
- [初出の実例]「当年百二才と申、一段五調也」(出典:多聞院日記‐天正一四年(1586)三月一日)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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