窒素と酸素の化合物。俗称五酸化窒素、無水硝酸。二酸化窒素NO2をオゾンで酸化するか、硝酸を五酸化二リンとともに蒸留して得られる。0℃以下暗所で安定な無色の結晶。日光に当てたり、室温に熱するだけで二酸化窒素と酸素に分解する。低温での結晶は硝酸ニトロイルNO2+NO3-のイオン格子に相当する。気相および四塩化炭素などの溶液中での構造はO2N-O-NO2である。吸湿性で、水と激しく反応して硝酸となる。硝酸、過塩素酸、硫酸、リン酸などの無機酸に溶けジオキシド窒素(1+)陽イオンNO2+を生じる。強い酸化力をもち、ヨウ素を五酸化二ヨウ素に酸化する。酸化剤として用いられる。ベンゼン、グリセリン、セルロースなどをニトロ化する。
[守永健一・中原勝儼]
N2O5(108.01).五酸化窒素ともいう.硝酸の無水物に相当し,冷濃硝酸を五酸化リンで脱水するか,NO2のオゾンによる酸化で得られる.無色の潮解性の結晶.融点30 ℃.47 ℃ で分解して二酸化窒素と酸素になる.常温でも徐々に分解する.気体分子は次の構造をもつ.結晶中ではNO2+・NO3-のようなイオン構造をしている.水に溶けて硝酸となる.硫酸,硝酸中ではNO2+とNO3-に電離する.強い酸化剤である.ベンゼン,セルロース,グリセリンなどをニトロ化する.[CAS 10102-03-1]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…27℃でNO2:N2O4は20:80(%),100℃で90:10,140℃以上ではほとんど純粋なNO2となる。一酸化窒素を空気で酸化するか,金属硝酸塩を熱すると得られ,また五酸化二窒素N2O5を熱分解しても生成する。二硫化炭素,クロロホルムに可溶。…
※「五酸化二窒素」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
働き手が自分の働きたい時間に合わせて短時間・単発の仕事に就くこと。「スポットワーク」とも呼ばれる。単発の仕事を請け負う働き方「ギグワーク」のうち、雇用契約を結んで働く形態を指す場合が多い。働き手と企...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新