井田制(読み)せいでんせい(その他表記)Jing-tian-zhi; ching-t`ien-chih

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「井田制」の意味・わかりやすい解説

井田制
せいでんせい
Jing-tian-zhi; ching-t`ien-chih

中国の古代儒家理想として説いた代の土地制度。『孟子』によると 900畝 (ぽ) の土地を井字形に9等分し8家が 100畝ずつ耕作し (私田) ,中央区画を共同耕作とし (公田) ,その収穫租税とした制度 (助法) であるという。『周礼』ではそれと異なり,公田,私田の区別がない 900畝の土地制度についても伝えている。両書とも土地制度として理想化された要素が多く,まったく架空とする説やなんらかの事実の反映とするなど異説が多く不明。

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旺文社世界史事典 三訂版 「井田制」の解説

井田制
せいでんせい

後世の儒家が理想化した周代の土地制度
孟子が主唱者で,1里四方の田を井字形に9等分し,中央の1区を公田,周囲の8区を私田とし,8家共同で公田に奉仕した。実在性疑問視され,孟子の説話を漢代に補って完成した儒家の政治理想の所産とされている。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「井田制」の解説

井田制(せいでんせい)

井田法(せいでんほう)

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世界大百科事典(旧版)内の井田制の言及

【新】より

…そこで王莽は王土思想にもとづいて天下の田を王田と称して売買を禁止するとともに,男子8人以下の家では1井(約4.1ha)を限度とし,それ以上の田地を所有するものは,超過分を親族や郷村のものに分け与えることを命じた。王田とか1井という用語からも明らかなように,これは周代に行われたと伝えられる井田制を理想として復活したものであった(井田法)。しかし,歴史に逆行するこの制度はもともと実施不可能であったうえに,地主や豪族の猛烈な反対にあって,わずか3年で廃止されてしまった。…

※「井田制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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