精選版 日本国語大辞典「人の子」の解説
ひと【人】 の 子(こ)
① 人たるものの子。人倫にのっとった存在としての子。また、人間を、小ささや若さの面から見ていう語。人。⇔人の親。
※万葉(8C後)一六・三七九九「豈(あに)もあらじ己が身のから人子(ひとのこ)の言も尽さじ我れも依りなむ」
※枕(10C終)一一九「孝ある人の子」
② 子孫。
※万葉(8C後)一八・四〇九四「人子(ひとのこ)は 祖(おや)の名絶たず 大君に 奉仕(まつろ)ふものと」
③ 他人の子。他人の愛児。
※栄花(1028‐92頃)衣の珠「ひとのこにて見んに、羨しくも持たらまほしかるべき子なりや」
④ まだ親がかりの娘。また、他人の妻となった女性。
※万葉(8C後)二・一二二「大船の泊つる泊りのたゆたひに物思ひ痩せぬ人能児(ひとノこ)ゆゑに」
※引照新約全書(1880)馬太伝福音書「狐は穴あり天空の鳥は巣あり然ど人の子は枕する所なし」
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