人の子(読み)ヒトノコ

  • の 子(こ)
  • ひと
  • 人の子 Son of Man

デジタル大辞泉の解説

親から生まれた子としての人。⇔人の親
人として生まれた者。人間。「あの悪人もやはり人の子だった」
子孫。
「―は祖(おや)の名絶たず大君にまつろふものと」〈・四〇九四〉

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世界大百科事典 第2版の解説

元来は単純に〈人間〉の言い換え(《詩篇》8:4など)であったが,後期ユダヤ教の黙示文学では歴史の終末時に審判のため出現する天的存在を指す術語(《ダニエル書》7:13など)となる。これを背景に新約聖書福音書ではイエスが自己を〈人の子〉として表示する。これがどこまでイエス自身の実際の自己理解を反映するものか論争されている。2世紀以後の古代教会では再び意味が変移し,〈神の子〉イエスが同時に〈真に人間〉であることを表現する呼称となる。

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大辞林 第三版の解説

人間として生まれた者。人間。人。 あいつも-、子供はかわいいとみえる
子たる者。子供。 ⇔ 人の親
他人の子。
子孫。 -は祖おやの名絶たず/万葉集 4094
他人の愛している人。特に、人妻などをいう。 -故に恋ひ渡るかも/万葉集 3017
主として福音書でイエスが自称したとされている称号。

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精選版 日本国語大辞典の解説

① 人たるものの子。人倫にのっとった存在としての子。また、人間を、小ささや若さの面から見ていう語。人。⇔人の親
※万葉(8C後)一六・三七九九「豈(あに)もあらじ己が身のから人子(ひとのこ)の言も尽さじ我れも依りなむ」
※枕(10C終)一一九「孝ある人の子」
② 子孫。
※万葉(8C後)一八・四〇九四「人子(ひとのこ)は 祖(おや)の名絶たず 大君に 奉仕(まつろ)ふものと」
③ 他人の子。他人の愛児。
※栄花(1028‐92頃)衣の珠「ひとのこにて見んに、羨しくも持たらまほしかるべき子なりや」
④ まだ親がかりの娘。また、他人の妻となった女性。
※万葉(8C後)二・一二二「大船の泊つる泊りのたゆたひに物思ひ痩せぬ人能児(ひとノこ)ゆゑに」
⑤ 新約聖書の福音書で、イエス‐キリストが、みずからをさすのに用いた表現。
※引照新約全書(1880)馬太伝福音書「狐は穴あり天空の鳥は巣あり然ど人の子は枕する所なし」

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