伊達得夫（読み）ダテ トクオ

20世紀日本人名事典

伊達 得夫
ダテ トクオ

昭和期の出版人 書肆ユリイカ社主。

生年

大正9(1920)年9月10日

没年

昭和36(1961)年1月16日

出生地

旧朝鮮・釜山

学歴〔年〕

京都帝大経済学部〔昭和18年〕卒

主な受賞名〔年〕

歴程賞(第1回)〔昭和38年〕「ユリイカ抄」(遺稿集)

経歴

中学卒業まで京城で過ごす。昭和18年京都帝大卒業後、北支・内蒙古の戦場に赴く。戦後、上京し前田出版社に入社。原口統三の「二十歳のエチュード」を出版、ベストセラーとなる。23年書肆ユリイカを創業し、25歳頃から詩書出版に専心。稲垣足穂の「ヰタ・マキニカリス」、29年から30年にかけて「戦後詩人全集」、30年「現代フランス詩人全集」などを刊行、31年には詩誌「ユリイカ」を創刊する。補助者1人か2人の小出版社であったが、戦後詩の最も活発な活動の場を提供し、多くの現代詩人を世に送り出した。遺著に「ユリイカ抄」がある。

出典　日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）

日本大百科全書(ニッポニカ)

伊達得夫
だてとくお
（1920―1961）

編集者。朝鮮釜山(ふざん)に生まれる。京都帝国大学経済学部卒業後、学徒動員令により出征。1948年（昭和23）書肆(しょし)ユリイカを創設。原口統三(とうぞう)（1927―1946）『二十歳のエチュード』を刊行し、以後『戦後詩人全集』『現代詩全集』や戦後詩人の諸詩集、雑誌『ユリイカ』などの良心的出版活動を続け、現代詩の発展に貢献した。遺稿集『ユリイカ抄』（1962）が第1回歴程賞を受賞。『詩人たち』（1974）の著がある。

［柳沢孝子］

[参照項目] | ユリイカ

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

伊達得夫 だて-とくお

1920－1961　昭和時代後期の出版経営者。
大正9年9月10日朝鮮釜山生まれ。昭和23年書肆(しょし)ユリイカを創業,原口統三の「二十歳のエチュード」を出版。以後「戦後詩人全集」をはじめとする詩集を出版し,詩誌「ユリイカ」を創刊,おおくの現代詩人に活動の場を提供した。昭和36年1月16日死去。40歳。京都帝大卒。著作に「詩人たち」。

出典　講談社

367日誕生日大事典

伊達 得夫 (だて とくお)

生年月日:1920年9月10日
昭和時代の出版人。書肆ユリイカ社主
1961年没

出典　日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」