低温核融合(読み)テイオンカクユウゴウ

デジタル大辞泉 「低温核融合」の意味・読み・例文・類語

ていおん‐かくゆうごう〔テイヲンカクユウガフ〕【低温核融合】

高温高圧のプラズマ状態を必要としない核融合方法ミューオン触媒核融合常温核融合などがあり、研究実験が行われている。→熱核融合

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精選版 日本国語大辞典 「低温核融合」の意味・読み・例文・類語

ていおん‐かくゆうごうテイヲンカクユウガフ【低温核融合】

  1. 〘 名詞 〙 従来重水素三重水素を超高温高圧のプラズマ状態にして生じさせる核融合に比べ、それより低い室温程度の常温で生じさせる核融合。重水電気分解や重水素ガス中の放電などで生じる実験が繰り返されている。常温核融合。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「低温核融合」の意味・わかりやすい解説

低温核融合
ていおんかくゆうごう
cold fusion

パラジウムチタン陰極白金陽極として試験管中で重水を電気分解すると中性子が観測されたという現象が 1990年3月にアメリカの2グループによって報告された。これは重水素の核融合反応が室温の陰極金属の中で起きていることを示し,従来の高温プラズマによる核融合に比べて低温であることから低温核融合と呼ばれる。簡単な装置で核融合エネルギーを手に入れる可能性があるために多くの研究者により追試験が行なわれた。しかし,中性子観測の例がいくつか報告されているが,実験の再現性は悪い。低温核融合がエネルギー源となる見通しはほぼ否定されたけれども,観測された現象は重水素分子における核融合反応よりも 1050 倍も多く,なぞに満ちている。

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