何たる(読み)ナンタル

デジタル大辞泉 「何たる」の意味・読み・例文・類語

なん‐たる【何たる】

[連体]非難詠嘆などの気持ちを表す語。なんという。「何たる醜態
[連語]どのようなものである。「学問何たるかを知る」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「何たる」の意味・読み・例文・類語

なん‐たる【何たる】

  1. 〘 連体詞 〙 ( 「なん(何)」に助動詞「たり」の連体形「たる」が付いてできたもの )
  2. 正体・実体の不明な事物を指示する。どのような。
    1. [初出の実例]「今代王を召て立て天子とせんと云へども、定まるまいぞ、なんたる変かあらうずらうぞ」(出典:史記抄(1477)八)
  3. 納得・容認しにくい事態を、非難・詠嘆の気持を含めて指示する。なんという。
    1. [初出の実例]「主人の為に仇を討ふと思ったに却って主人を殺すとは、神も仏もない事か、何たる因果な事であるか」(出典:怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一三)

なに‐たる【何たる】

  1. 〘 連体詞 〙 ( 代名詞「なに」に助動詞「たり」の連体形「たる」がついてできたもの ) 事物、事態、原因動機などの不明・不定なさま。どのような。どういうわけの。
    1. [初出の実例]「君子は何(ナニ)たる行が君子とは云者てあるぞと問也」(出典:足利本論語抄(16C)為政第二)

あん‐たる【何たる】

  1. 〘 連体詞 〙 ( 「なんたる」の変化した語 ) なんとした。なんという。どういう。物事が極端で驚きあきれる時に用いる。
    1. [初出の実例]「是を以ぶち込ば、あんたる黒がね玉でもつっこむべい」(出典:雑兵物語(1683頃)上)

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