( 1 )中世以降の文献に現われ、意味的な関連から「良き程」の変化したものと考えられる。室町時代の抄物資料では「えっぽど」の形も見られる。「よほど」の形も中世から見られるが、これは、「よっぽど」の促音が、ヤッパリ⇔ヤハリ、モッパラ⇔モハラ等の対に類推して強調の表情音ととらえられたところから、その非強調形として「よほど」の語形が生まれたものと考えられる。近世以降現代に至るまで「よっぽど」が強調ニュアンスを伴うのに対して「よほど」は平叙的である。
( 2 )「よっぽど・よほど」の意味は、古くは「良い程、良い頃合、適度」という本来の「よきほど」の意味を保っているが、近世に入ると次第に「適度を越えたかなりの程度」の意になっていく。
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...