供御方(読み)クゴカタ

デジタル大辞泉 「供御方」の意味・読み・例文・類語

くご‐かた【供御方】

室町幕府職名供御所役人で、将軍日常膳部を調えるもの。

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精選版 日本国語大辞典 「供御方」の意味・読み・例文・類語

ぐご‐かた【供御方】

  1. 〘 名詞 〙 室町幕府の職名。供御所の役人で、将軍の膳部を調える。
    1. [初出の実例]「御こはぐごの時七献(しちこん)参候。是は供御方仕候者調進申」(出典:年中定例記(1525頃))

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改訂新版 世界大百科事典 「供御方」の意味・わかりやすい解説

供御方 (くごがた)

室町幕府において将軍家の日常の供御を調進するのを職務とする者。供御は天皇,皇后の食膳を指すが,室町時代には将軍家の食膳をも供御と称した。供御を含めて将軍家の日常の雑務を担当する者を御末衆(おすえのしゆ)といい,《武家名目抄》によれば彼らの中でも進士,太田氏らが世襲的に務めていたという。1466年(文正1)足利義政が飯尾之種亭に赴いたときには御末衆全員で供御を調進しており,同年義政伊勢参宮の際には進士,太田,疋田,借宿氏らが供御方として従っている。81年(文明13)には足利義尚の供御に疋田氏が関与していたと思われるし,1540年(天文9)足利義晴の供御方は下津屋氏であった。進士氏は恒例の儀式的調膳(例えば年末すす払い後の三献の儀など)を務めているが,少なくとも戦国期には恒例の儀式的調膳以外は進士,太田氏の専有する職務ではなく,御末衆の中から適宜任ぜられたもののようである。
御末
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