デジタル大辞泉 「保つ」の意味・読み・例文・類語 た‐も・つ【保つ】 [動タ五(四)]《「手た持つ」の意とも、「持つ」に接頭語「た」が付いたものとも》1 ある状態を変えないで続ける。「常時、室内は二〇度に―・たれている」2 損なわれたり乱れたりしないように、ある状態を守りつづける。もちこたえる。維持する。「若さを―・つ」「面目を―・つ」「秩序を―・つ」3 その状態が変わらないで長く続く。もつ。「からだが―・たない」「寿命が―・つ」4 自分の物として持つ。所有する。「―・つ所の財宝を」〈曽我・三〉5 天下を治める。統治する。「必ず世の中―・つべき相ある人なり」〈源・賢木〉[可能]たもてる[類語]支える・持ちこたえる 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「保つ」の意味・読み・例文・類語 た‐も・つ【保】 〘 他動詞 タ行五(四) 〙 ( 「手(た)持つ」の意 )① 手に持つ。所持する。携帯する。[初出の実例]「彌勒の石の像(みかた)の一躯(ひとはしら)を有(タモテ)り」(出典:日本書紀(720)敏達一三年九月(前田本訓))② 自分の物として所有し管理する。統治する。支配する。[初出の実例]「共に此の城を保(タモ)たむとす」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)一)③ 自分の守るべきこととして長く持ち続ける。長く心に留める。保持する。[初出の実例]「夫れ出家せる者は〈略〉具戒の法を懐(タモツ)」(出典:日本書紀(720)推古三二年四月(岩崎本平安中期訓))「汝に昔の事共語て聞せむ、善く聴て可持(たもつべ)し」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)④ ある物やある状態を、そのまま変えないように持ちこたえさせる。ある状態が長く続くように守りささえる。維持する。[初出の実例]「好き子孫(うみのこ)は足(あくまで)に大なる業(つきて)を負荷(タモツ)に堪たり」(出典:日本書紀(720)雄略二三年八月(前田本訓))「文武の二道は国をたもつたから也」(出典:名語記(1275)六)⑤ 弓に矢をつがえて引き絞り、ねらいを定めながら持ちこたえる。[初出の実例]「トガリヤ ヲ トッテ ツガウテ、シバシ tamotte(タモッテ) ヒャウド イタレバ」(出典:天草本平家(1592)二) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例