俯す(読み)ウツブス

デジタル大辞泉 「俯す」の意味・読み・例文・類語

うつ‐ぶ・す【×俯す】

[動サ五(四)]
顔やからだの前面を下に向けて伏すか倒れるかする。「ベッドに―・す」
下を向く。うつむく。
伏し目になりて―・したるに」〈若紫
[動サ下二]うつぶせる」の文語形
[類語]伏せる伏すうつ伏せる俯く突っ伏すうつぶせ腹這い

ふ・す【×俯す】

[動サ変]うつむく。
巫覡卜相ふげきぼくそうの徒の前にこうべを―・せんよりは」〈露伴運命

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「俯す」の意味・読み・例文・類語

うつ‐ぶ・す【俯】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行五(四) 〙
    1. 顔を下に向けて伏す。腹ばいになる。うっぷす。⇔仰向く
      1. [初出の実例]「衣(きぬ)を引きぬがせむとすれば、うつぶして声立つばかり泣く」(出典源氏物語(1001‐14頃)手習)
    2. 頭をたれる。下を向く。うつむく。⇔仰向く
      1. [初出の実例]「御ぐし白からず、御腰すこしうつぶし給へり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上下)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙うつぶせる(俯)

ふ‐・す【俯】

  1. 〘 自動詞 サ行変 〙 下を向く。うつむく。かがむ。
    1. [初出の実例]「測り難きの数を畏れて、巫覡卜相(ふげきぼくさう)の徒の前に首(かうべ)を俯(フ)せんよりは」(出典:運命(1919)〈幸田露伴〉)

うっ‐ぷ・す【俯】

  1. 〘 自動詞 サ行五(四) 〙うつぶす(俯)
    1. [初出の実例]「切腹した人のやうにうっぷしてゐる佐々を」(出典:善心悪心(1916)〈里見弴〉)

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