傾ぐ(読み)カタグ

デジタル大辞泉 「傾ぐ」の意味・読み・例文・類語

かた・ぐ【傾ぐ】

[動ガ四]かたむく。かたよる。
「杉の木末に月―・ぐなり/利牛」〈炭俵
[動ガ下二]かた(傾)げる」の文語形

かし・ぐ【傾ぐ】

[動ガ五(四)]向きがかたむく。斜めになる。「舟が―・ぐ」
[動ガ下二]かしげる」の文語形。
[類語]傾く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「傾ぐ」の意味・読み・例文・類語

かし・ぐ【傾】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ガ五(四) 〙
    1. かたむく(傾)浜荻庄内)(1767)〕
      1. [初出の実例]「宝舟布袋の方へかしぐなり」(出典:雑俳・柳多留‐五六(1811))
    2. かたむく(傾)
      1. [初出の実例]「お月様、最早彼様(もうあんな)に傾(カシ)いだ」(出典良人自白(1904‐06)〈木下尚江〉続)
    3. かたむく(傾)
      1. [初出の実例]「ずっと市村さんの方へ傾(カシ)いで了ひました」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉二一)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙かしげる(傾)

かた・ぐ【傾】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ガ四段活用 〙 かたむく。かたよる。また、よろめく。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「此度の薬はききし秋の露〈野坡〉 杉の木末に月かたぐ也〈利牛〉」(出典:俳諧・炭俵(1694)下)
    2. 「偏(カタ)いだ時計の振子が動くやうなもので」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙かたげる(傾)

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