精選版 日本国語大辞典 「兄様」の意味・読み・例文・類語 あに‐さん【兄様】 〘 名詞 〙 ( 「さん」は接尾語 )① 兄を親しみ敬っていう語。[初出の実例]「げいしゃのあにさんは大かたていしさ」(出典:洒落本・妓者呼子鳥(1777)三)② 江戸の遊里で、引手茶屋や船宿のむすこなどをいう語。[初出の実例]「あにさんとは、茶屋船宿のむすこ。或は兄弟の事なり」(出典:洒落本・魂胆惣勘定(1754)上)③ 落語家など芸人の間で、兄弟子や先輩などを呼ぶ語。 にい‐さん【兄様】 〘 名詞 〙① ( 「にいさま(兄様)」の変化した語 ) 兄を敬い親しんで呼ぶ語。また、若い男性を親しんで呼ぶ場合にも用いる。[初出の実例]「サアサア、兄(ニイ)さんも鶴(つう)も哥をうたひな」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前)② 芸者などの経験を積んだ者を「姉(ねえ)さん」と呼ぶのに対して、その連れ合いを呼ぶ語。〔新しき用語の泉(1921)〕 あに‐さま【兄様】 〘 名詞 〙 ( 「さま」は接尾語 ) 兄を敬っていう語。[初出の実例]「兄(あに)様の了簡(りゃうけん)」(出典:咄本・鹿の巻筆(1686)五)「それ兄様(アニサマ)のお帰り」(出典:大つもごり(1894)〈樋口一葉〉下) にい‐さま【兄様】 〘 名詞 〙 ( 「さま」は接尾語 ) 兄を敬って呼ぶ語。「にいさん」よりやや改まったいい方。[初出の実例]「兄様(ニイサマ)此字は何と読みますると」(出典:花ごもり(1894)〈樋口一葉〉四) あん‐さん【兄様】 〘 名詞 〙 若い男を親しみ敬って呼ぶ語。[初出の実例]「忠さんは与平に向って幾度もあんさんをふりまいた」(出典:犬喧嘩(1923)〈金子洋文〉三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例