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光市・母子殺害 ひかりしぼしさつがい

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知恵蔵2015の解説

光市・母子殺害

1999年4月14日午後9時半ごろ、山口県光市アパートで、本村洋さんの妻(当時23)と生後11カ月の長女が殺されているのが見つかった。山口県警は同月18日、光市内に住む会社員の少年(当時18)を殺人容疑で逮捕。99年12月22日に山口地裁であった論告求刑公判で、検察側は「犯行は冷酷、残虐で過去類例を見たことがない。死刑以外を求刑しても国民の理解は得られない」と死刑を求刑した。だが同地裁は2000年3月の判決公判で、「身勝手、自己中心的で酌量の余地はないが、殺害に計画性はなく、更生の可能性がないとはいいがたい」と無期懲役を言い渡した。この判決によると、殺人と強姦致死、窃盗の罪に問われた少年は4月14日午後2時半ごろ、排水検査を装って部屋に入り込み、妻を強姦しようとし、抵抗されたため両手で首を絞めるなどして殺した。泣き叫んだ長女を床にたたきつけ、ひもで首を絞めるなどして殺害し、小銭が入った妻の財布を盗んだ。検察側は控訴し、02年1月の広島高裁控訴審でも死刑を求刑。同年3月の判決で、同高裁は一審判決を支持した。広島高検はこれを不服として上告した。最高裁第三小法廷は05年12月、検察、弁護側双方の意見を聴く弁論を06年3月14日に開くことを決定。ところが弁論当日、被告の弁護人らが出廷しなかったため弁論を開けず、4月18日に延期された。第三小法廷は、弁護士に対し、4月18日の弁論期日には必ず出席し、最後まで在席するよう求める出頭在廷命令を3月15日付で出した。6月20日、最高裁第三小法廷は2審広島高裁判決を破棄し、審理を差し戻す判決を言い渡した。この時25歳の元少年について「責任は誠に重大で、特に酌むべき事情がない限り死刑を選択するほかない」と指摘し、差し戻し審で死刑が言い渡される公算が大きくなった。少年法の規定では、18歳未満の少年に死刑は言い渡せない。18歳以上であっても少年に死刑を言い渡す例は少なく、犯行時少年の被告に対する死刑判決が確定したのは過去3件だけ。第三小法廷は「強姦目的で主婦を殺害し、犯行発覚を恐れ、いたいけな幼児までも殺害し悪質だ」と指摘した。犯行時18歳と30日の年齢については「死刑を判断すべき決定的な事情とまではいえない」とし、2審判決を「量刑は甚だしく不当で、破棄しなければ著しく正義に反する」と結論づけた。

(緒方健二 朝日新聞記者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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