短音階(読み)たんおんかい(英語表記)minor scale 英語

日本大百科全書(ニッポニカ)「短音階」の解説

短音階
たんおんかい
minor scale 英語
Molltonleiter ドイツ語

全音階の一つで、長音階に相対するもの。音階の第三度に短三度をもつことを特徴とする。短音階には次の3種がある。(1)自然的短音階 教会旋法のエオリア旋法に由来するもので、全音階的なもの。(2)和声的短音階 自然的短音階の第七音を半音高めて、上向導音の形としたもの。(3)旋律的短音階 上行進行において第六音と第七音を半音高め、下行進行においては自然的短音階と同じ形をとるもの。

[南谷美保]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「短音階」の解説

短音階
たんおんかい
minor scale

音楽用語。全音階の一種で,音階の第3音が主音と短3度を形成する音階。基本形である自然的短音階は第2音と3音,5音と6音が短2度を形成する。しかし,この音階は上行導音をもたないため第7音を半音高めることがある (和声的短音階) 。さらにその際,第6,7音間に生じる増2度を回避するため,第6音も半音上げることがある (旋律的短音階) が,下行の場合は導音は不要になるため自然的短音階と同形。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア「短音階」の解説

短音階【たんおんかい】

西洋古典音楽の音階の一つ。長音階の対。短調を構成している音からなる音階,つまり,第2音と第3音の間,第5音と第6音の間の音程は半音で,他は全音の音階。これを自然的短音階というが,実際の音楽では,旋律的短音階と和声的短音階が使用される。
→関連項目音階長音階

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

精選版 日本国語大辞典「短音階」の解説

たん‐おんかい【短音階】

〘名〙 音階の一種。音階の第二音と第三音、第五音と第六音との間が半音で、その他が全音であるもの。自然的短音階を基本形とし、やや変形した和声的短音階、旋律的短音階がある。短。⇔長音階。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典 第2版「短音階」の解説

たんおんかい【短音階 minor scale】

短調の音階。短旋法ともいう。イ音上の全音階のオクターブ(イ・ロ・ハ・ニ・ホ・ヘ・ト・イ)で最も単純に表される。長調【土田 英三郎】

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の短音階の言及

【音階】より

…ギリシア旋法および中世の教会旋法と近世の音階との違いは,これらの旋法が本質的には同一の基本的な音列から,オクターブをいろいろに切り取ったものにほかならない点にある。そして近代ヨーロッパの長・短音階はつねに最低音を主音としているのに反し,ギリシア旋法にはそれぞれに主音はなく,全部の種属に対してメセmeseと呼ばれる1個の中心音があっただけである。また中世の旋法では正格旋法は音階の最低音を主音としたが,変格旋法はその音列の第4音を主音とした。…

【長調】より

…また近代の機能和声にあっては,トニカ(主和音),ドミナント(属和音),サブドミナント(下属和音)の三つの主要和音がいずれも長3和音であれば長調,短3和音であれば短調ということができる。このような音階の形をそれぞれ長旋法(あるいは長音階),短旋法(あるいは短音階)といい,例えばハ長調はハ音上の長旋法,ハ短調はハ音上の短旋法である。ただし短調では,上述の自然的短調のほかに,和声的要求から第7度音が半音上げられて主音への導音となることで属和音のみ長3和音となる場合(和声的短調),さらに旋律的要求から上行時に第6度音も半音上げられて下属和音も長3和音を構成する場合(旋律的短調)がしばしばある。…

※「短音階」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

急急如律令

中国漢代の公文書の末尾に、急々に律令のごとくに行え、の意で書き添えた語。のち、呪文(じゅもん)の終わりに添える悪魔ばらいの語として、道家・陰陽師(おんようじ)・祈祷僧(きとうそう)などが用いた。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android