八不中道(読み)はっぷちゅうどう(英語表記)Ba-bu-zhong-dao

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

八不中道
はっぷちゅうどう
Ba-bu-zhong-dao

インドの仏教者龍樹の『中論』冒頭の帰敬序にある,「不生・不滅・不断・不常・不一・不異・不来・不去」の句を八不という。不は,すべての存在が相依相待の関係にあり,他から独立してそれ自体として存在するものは一つもない,という縁起の道理を説いたものである。さらにこの八不には,真理に合する中道の実践も説かれていると考えて,八不中道という。中国の三論宗では,八不を破邪,中道を顕正の意味に解する。

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デジタル大辞泉の解説

はっぷ‐ちゅうどう〔‐チユウダウ〕【八不中道】

仏語。竜樹の「中論」に説く道理。不生・不滅、不常・不断、不一・不異、不来・不出八つ否定を通して、とらわれのない正しい見方が得られるということ。

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大辞林 第三版の解説

はっぷちゅうどう【八不中道】

〘仏〙 四句の対立概念を否定し、この世の実体が空であるという正しい立場をとること。三論宗の用語。 → 八不

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精選版 日本国語大辞典の解説

はっぷ‐ちゅうどう ‥チュウダウ【八不中道】

〘名〙 仏語。八不によって、執着を離れ、とらわれることのない正しい見方が得られること。また、八不によって事物を正しく見ること。
※往生大要抄(1212頃)「三論宗には八不中道の無相の観に住してしかも心には四弘誓願ををこし」

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