八幡山遺跡(読み)やわたやまいせき

日本歴史地名大系 「八幡山遺跡」の解説

八幡山遺跡
やわたやまいせき

[現在地名]吉海町八幡

大島の中心部にある八幡山(二一五メートル)の八合目辺りに巨大な天狗岩がそそり立つ。この巨岩の裾から弥生中期―後期の土器がかなり出土している。いわゆる弥生時代の瀬戸内の高地性遺跡の一例にあたるが、他の多くが海峡要所直下に見下ろしたり、全航路を遠望監視しうるような山頂に位置しているのに対して、ここはむしろ中腹にある巨岩に一種の信仰的立場から崇拝儀礼を行ったかに考えられる。当遺跡に前後する遺物は、山頂や西北山麓庄屋谷しようやだに付近、西南の谷間を越えた瀬賀居の赤岸せがいのあかぎし、山麓東方の仁江にえにも出土し、続く古墳時代にかけては八幡山の東にある集合墓や横穴式石室をもつ藤崎ふじさき古墳がある。


八幡山遺跡
はちまんやまいせき

[現在地名]尾花沢市上柳渡戸

尾花沢市立上柳渡戸小学校の南東約四〇〇メートルの標高四〇〇メートルの八幡山山頂に立地する古墳時代前期の祭祀遺跡。遺物はすべて採集品で発掘調査は行われていない。遺物のほとんどは山形大学附属博物館に収蔵され、多数の石製模造品と土師器がある。石製模造品には鏡四点・勾玉五点・刀子三点・鎌四点・鋤一七点、双孔の有孔円板一五〇点、剣形品三〇点のほか、円形や三角形・圭頭形・長方形の一孔を有する玉類がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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