共食い(読み)トモグイ(その他表記)cannibalism

翻訳|cannibalism

デジタル大辞泉 「共食い」の意味・読み・例文・類語

とも‐ぐい〔‐ぐひ〕【共食い】

[名](スル)
同じ種類動物などが、互いに食い合うこと。「カマキリ共食いする」
同業者が、互いに利益を奪い合い、その結果、ともに損をすること。また、そのような状態。「与党候補どうしの共食いとなる」
[補説]書名別項。→共喰い
[類語]捕食

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改訂新版 世界大百科事典 「共食い」の意味・わかりやすい解説

共食い (ともぐい)
cannibalism

動物が自分と同種の動物を食べること。これには少なくとも二つの型がある。一つはなんらかの原因で死んだ仲間死体を食うものであり,もう一つは積極的に殺して食べるものである。前者が動物食性の動物でかなり一般的にみられる現象であるのに対し,後者はこれを回避するような行動上のメカニズムを進化させている動物が多いこともあって,比較的まれである。積極的な共食いは,ほとんどの場合成体が同種の幼体(ふつうは自分の子ではない)を食べるものであり,コロニーをつくる海鳥類,魚類昆虫,ライオン,チンパンジーなどで観察されている。

 成体どうしが殺しあって食べるという例はきわめてまれで,ふつうは過密,食料不足,その他強いストレスを受けるような異常な状況でのみみられる。共食いが種の生活上どのような機能をもつものであるかは,今のところまだ明らかではないが,過密状態における共食いは,個体数調節の機能をもつと考えられている。
カニバリズム
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百科事典マイペディア 「共食い」の意味・わかりやすい解説

共食い【ともぐい】

動物が同種の個体を捕食すること。大別すると2種類あり,一つは何らかの理由で死んだ仲間を食べるものであり,もう一つは積極的に生きた仲間を殺して食べるもので,前者はごく普通に見られるが,後者は比較的まれである。カマキリなどの昆虫では交尾後に雄が食べられることは珍しくない。一般に個体密度が過大になった場合,弱小個体が捕食されることはしばしばで,アリグッピー,コロニーで繁殖する海鳥,ネズミなどに例が多い。近年,群れの乗っとりに際しての子殺しの例が多くの動物で報告されているが,これも広い意味での共食い。

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ブランド用語集 「共食い」の解説

共食い

共食いとはカニバリゼーションのことをいう。カニバリゼーションの項参照。

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