内祝(読み)うちいわい

精選版 日本国語大辞典 「内祝」の意味・読み・例文・類語

うち‐いわい‥いはひ【内祝】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 身内などの親しい者だけでする祝い事。
    1. [初出の実例]「去年よりは猶さかふ二条家〈可瀬〉 大ふくはせばきかこひの内いはひ〈正章〉」(出典:俳諧・紅梅千句(1655)八)
  3. 自分の家の祝い事で、贈り物をすること。また、その品物
    1. [初出の実例]「知らなんだ様に礼言ふ内祝〈蘭亭〉」(出典:雑俳・紀玉川(1819‐25)三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「内祝」の意味・わかりやすい解説

内祝い
うちいわい

内輪だけの祝いの意。転じて質素な祝いの意味にも使う。出産婚礼年祝いなどは、古い村の生活では個人の問題として済ますことはできなかった。共同体の1人としての位置づけがあったからで、ともに喜び、ともに祝うという習わしであった。時代の変化や社会状態の変化によって、個々の家のなかだけで済まそうとする傾向が強くなってきた。招いて喜びをともにすべき人に対して、贈り物で代用する習わしが増えてきたのである。喜びをともにする、といっても中心は共同の食事であったが、その祝宴に招くかわりに贈るという心持ちもある。また内祝いとして贈る場合には、祝い品を贈られた際の返礼しるしといった意味でも使われている。

[丸山久子]

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